食&酒

2025.09.03 15:15

星付きレストランも慄くグルメレビュアーが断言「魚料理はフランスより日本」

Getty Images

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「これまでに数百人とフランス料理会食した」という食の達人、人気レストラン紹介メディア「タケマシュラン」主宰のタケマシュラン氏。彼が紹介した店は「即日予約が取れなくなる」とも言われるほどの、恐るべき影響力を持つグルメインフルエンサーだ。

料理のおいしさのみならず店の雰囲気、サービス、哲学などをオールラウンドに見る氏のグルメレビューは絶妙なユーモアと皮肉にくるんだ容赦ない舌鋒に定評があり、絶大なファン層の厚さを誇る。

本稿では氏のブログ「タケマシュラン」から、東京のレストランの予約の取れなさについて、日本の魚料理について、そしてレストランの「会計書」について以下、一部を編集の上引用して紹介する。

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フランス人は「女性を口説くツール」としてレストランを使わない

東京の若い女の子の興味の対象が、ブランド物のバッグから高名な飲食店での体験へとシフトして久しい昨今、結果として、ここ数年の東京のレストランにおける品のない客の増え方と予約の取れなさは、異例を通り越して異常となってきました。

フランス人は女性を口説くツールとしてレストランを使うことが少ないので、東京のような予約困難バブルが生じることはなく、数週間も前から予約しなければならないレストランなど実に例外的です。

だいたい、どうして「渋谷ラ・ブランシュ」や「四ツ谷北島亭」、広尾の「レストラン アラジン」などのウルトラ美味しい料理店がいつでも予約できて、試験管に入れて花を散らしてスポイトで食べる、ハロウィンのカボチャのよう、と言いたくなるようなビジュアル系レストランが半年先まで予約でいっぱいなんだ。「美味しいもの、それが、料理」とポール・ボキューズも言っている。味よりも予約困難性や奇抜さが取り沙汰されるだなんて、世の中どうかしています。何でもクラフトと名付けるのはやめなさい。

以前食事をご一緒した女性が、「どうでもいい相手(男性)にはめちゃくちゃ奢らせても、大切にしたい方にはそんなにお金を使わせない」というニュアンスのことを言っていました。男性陣はこのへんの真実を深く胸に刻み込み、行列が行列を呼ぶような節操のない予約の取り方は控えるようにしましょう。私もやめます。みんなもやめましょう。みんなで健全な東京レストラン事情を造り上げていきましょう。

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文=タケマシュラン 編集=石井節子

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