「失礼な! ボったりなんかしてないもん!」と言うのであれば、無用な疑念を客に与えているのですぐにでもフセン形式はやめたほうが良いです。素材が時価に左右されたり、皿数が多すぎて厳密な明細が出せないというのであれば、「コース料理15000円×2、グラスワイン2000円×2、ボトルワイン12000円×1」のように、せめて酒と料理を分けて記せば良い。明らかにすぐできることをやらないのは、やはり何かしら理由があると考えざるを得ません。
また、読み書きソロバンは日本人のお家芸なはずなのに、日本のレストランにおける会計時のミスの多さは不可思議です。私が体感する限り、日本においては2割近くのお店で誤った金額を請求されます。私はその都度、絶大な記憶力と驚異的な暗算力によって正しい金額をその場で指摘するのですが、そんな事態に陥れば、これまでの美味しい料理の余韻も中くらいになるのである。
その場で明細が出され脳内検算できるならまだ良いのですが、前述のフセン1枚丼勘定方式で来られると、「妙に割高だなあ」と感じたとしても私に確認する術はなく、後日、当サイトにおいて「旨いが割高。美味しくてあたりまえ」のように書かざるを得なくなるのです。その後、慌てて私に連絡を寄越し「会計に誤りがありました、差額を返金させて下さい」と申し出て来るお店の多いこと多いこと。これを言葉通りに受け止められるほど私は物分りが良くはありません。
日常的にボッタクリ行為が横行し、物言いがつけば仕方なく返金し、文句がなければ知らんぷり。こんな人を騙すようなことをやりたくて、あなたがたは料理人やサービスマンになったのか。飲食業に限ったことではありませんが、客を大事にしない商売はいずれ滅びるに違いありません。
昔々ある選挙において、ある政党から出馬を要請されたことがあり、その際は丁重にお断りしたのですが、そろそろ重い腰を上げる時が来たのかもしれません。公約は「健全な飲食業界の実現」。「明細を出す」「クレカ使える」「禁煙」「英語メニューあり」などのカンタンな条件を満たせば認証が与えられ、当該店舗における飲食には消費税が免除される。財源とかややこしいことはよくわからないので悪しからず。
筆者=タケマシュラン◎レストラン紹介メディア「タケマシュラン」運営。日本ソムリエ協会ワインエキスパート、SAKE DIPLOMA。C.P.A.認定チーズプロフェッショナル。


