食&酒

2025.09.06 15:15

カリフォルニアワインが、いま伝えたいこと

Photo by Richard Morley

シャイド・ヴィンヤーズの風力発電のタービン(Photo by Richard Morley)
シャイド・ヴィンヤーズの風力発電のタービン(Photo by Richard Morley)

モントレー郡のシャイド・ヴィンヤーズ(Scheid Vineyards)は南北112キロに及ぶ地域の合計1600ヘクタールもの自社畑から様々なワインを造るが、ここも、再生可能エネルギーを導入している。畑の中には、巨大な風力タービンが設置され、風力発電を実施。その景観は遠くからでもひときわ目を引く。このプロジェクトは州政府や電力会社とのパートナーシップによって実現しているもので、ワイナリーが必要とする電力を上回る量の電力が創出されているという。

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人を大事にする

サステイナビリティには多面的な要素があり、その一つに社会的公正、すなわち従業員や地域住民など人を大事にするという理念も含まれる。

サンタ・バーバラ郡にあるフェス・パーカー(Fess Parker)は、俳優であり実業家でもあった同氏が1989年に設立した家族経営のワイナリー。オーガニック農法の採用、太陽光エネルギーの活用やワインボトルの軽量化、パッケージのリサイクルなど幅広い施策を採り入れているが、特に注目したいのは人への投資である。

このワイナリーでは、従業員の福利厚生の一環として、事業利益の20〜30%を従業員に還元するプログラムを実施している。対象はあらゆる職位の従業員で、還元額は勤続年数、つまりポジションではなく勤続による貢献度に基づき計算される。この仕組みにより、従業員はモチベーションを高めながら長期的に働くことができる環境が整えられているのだと説明する。

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各国から集まったジャーナリストたち(Photo by Richard Morley)
各国から集まったジャーナリストたち(Photo by Richard Morley)

今回の取材を通じて、カリフォルニアのワイナリーがそれぞれ自分たちが適切だと考える方法で、総合的かつ幅広い視点からサステイナビリティに取り組んでいることを実感した。まさにこれらは、環境だけでなく、人や社会、そして次世代への責任を包括するものである。

ツアーには10カ国から参加者が集まり、各自の専門分野もワインや食だけではなく、ライフスタイルやファッションまで多岐にわたった。このトピックがグローバルな社会課題として幅広い人々の関心を引くものであることを示唆していた。

カリフォルニアのワイナリーが示すサステイナビリティの多様な取り組みは、ワインの楽しみ方にも新しい視点をもたらす。私たち消費者も、こうした取り組みに目を向け、選ぶワインに込められた努力や理念を味わうことで、より豊かなワイン体験を得られる。

9月9日は、カリフォルニアがアメリカ合衆国に州として編入した日で、「カリフォルニアワインの日」にも制定された。この9月は、「カリフォルニアマンス」として、秋の収穫を祝い、カリフォルニアワインを楽しむプロモーションが各地で開催されている。この機会に、カリフォルニアワインを味わう機会を設けてみてほしい。

島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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文=島 悠里、写真=Richard Morley、島 悠里

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