貴重な水資源を大切に使う
ブドウの生育期間に雨が少なく、干ばつも深刻化するカリフォルニアでは、水資源の確保は重要な課題となっている。ワイン生産者たちは、限られた水を有効に使うため、灌漑の量やタイミングを綿密に調整して無駄を省いたり、ワイン醸造で使用する水を再利用するなど、様々な工夫を凝らす。
ディアバーグ&スターレーン・ヴィンヤーズ(Dierberg and Star Lane Vineyards)は、ディアバーグ夫妻が1996年に設立した家族経営のワイナリーで、サンタ・バーバラ郡各地のブドウからワインを造る。10世代以上、250年続くことを目指し、次世代に繋げていくべくサステイナビリティにも注力する。
今回訪れたのは、サンタ・バーバラから内陸に入った、ハッピー・キャニオンにあるスター・レーン・ランチ。他から隔離された広大な敷地に畑とワイナリーがあり、壮大な景観に圧倒されるが、内陸に位置するため、降雨量は非常に少なく、今後も降雨量のさらなる減少が予想されていて、水資源の確保は重要課題の一つだ。
ここでは、カリフォルニアでは珍しく、一部の畑で自根のブドウ樹を植えている。通常ブドウ樹はフィロキセラという害虫の被害を防ぐため、耐性のある土台に接ぎ木をして育てる。興味深いのが、自根のブドウ樹は耐干ばつ性が高く、土壌タイプにより必要な水を約30~55%削減できるのだという。
先述のタブラス・クリークも、乾燥した土地で最小限の水でブドウ樹が育つように仕立て方や植密度を調整し、また土壌の条件が適えばドライファーミング(灌漑することなくブドウを育てる)をおこなっている。これにより、ワインの味わいへの影響のみならず、水資源を効果的に使うことができているという。
自らエネルギーを創出する
降雨量の少なさは、裏を返せば日照量が多いという利点であり、カリフォルニアは太陽光エネルギーの活用が盛んだ。ソーラーパネルを備えた住居もよく目にする。
J.ローアー(J. Lohr Vineyards & Wines)のサステイナビリティへの取り組みは、創業者ジェリー・ローアーのヴィジョンにまで遡り、現在は二代目のスティーヴがその意思を引き継いでいる。2020年にはそのリーダーシップが高く評価され、「カリフォルニア・グリーンメダル持続可能なワイン造り賞」を受賞した。
さまざまな施策の一環として再生可能エネルギーの活用にも力を入れていて、敷地に設置されたソーラーパネルはアメリカンフットボール場3面分に相当し、北米でも最大規模を誇る。比較的大規模なワイナリーであるが、必要電力の75%以上を太陽光エネルギーで賄っている。


