食&酒

2025.09.06 15:15

カリフォルニアワインが、いま伝えたいこと

Photo by Richard Morley

再生型農業の畑
再生型農業の畑

再生型(リジェネラティブ)農業とは、ブドウ畑とその周囲の生態系をより健全な状態に再生・改善していくことを目的とした農法で、土壌の健全性や生物多様性、動物の福祉を軸とする。また耕起をしない(または最小限にとどめる)ことで、土壌の炭素の放出を防ぎ、大気中の二酸化炭素削減につなげるという考え方も特徴だ。ROC認証では、さらに、労働者の公正な待遇や労働環境の健全性など、社会的な公正さも評価対象となっている。

advertisement

タブラス・クリークでは他にも、一部のプレミアムワインにもバッグインボックス(Bag in box)を採用することで、パッケージによる二酸化炭素排出量の削減を実現している。ワインのパッケージは、包装そのものだけではなく輸送にも関わり、ワイン生産過程全体におけるカーボンフットプリントの中でも高い割合を占めており、その削減効果は大きいという。

仏ローヌ品種で造られるTablas Creek Vineyardsのワイン(Photo by Richard Morley)
仏ローヌ品種で造られるTablas Creek Vineyardsのワイン(Photo by Richard Morley)

では、再生型農業でブドウ栽培をすると、慣行農法による栽培と比べてどのような違いが生まれるのだろうか。同じくリジェネラティブ・オーガニック認証を取得しているロバート・ホール・ワイナリー(Robert Hall Winery)では、2021年から、再生型農業に転換した区画と慣行農法のままの区画で、それぞれ栽培したカベルネ・ソーヴィニョンのブドウを、同一の醸造方法でワインを造り、比較検証をおこなっている。

これまでに報告されている結果としては、再生型農業の区画では土壌の保水率が13%向上し、微生物の活動がより活発化、生物多様性が促進され、益虫による自然な害虫コントロールが盛んに見られたことなどが挙げられている。ワインの品質においても、再生型農業で育てられたブドウのワインは、複雑性やフレッシュさを備え、カベルネ・ソーヴィニョンの特徴がより明確に表れていたとされている。

advertisement
再生型農業と慣行農法で栽培したブドウで造られたワインの比較試飲
再生型農業と慣行農法で栽培したブドウで造られたワインの比較試飲
次ページ > 水もエネルギーも

文=島 悠里、写真=Richard Morley、島 悠里

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事