3. 普段から練習する
恋愛関係の維持をスキルアップの練習と考えるのは奇妙かもしれないが、実際のところ、そうなのだ。「習うより慣れろ」は知的活動や創造的な活動だけに当てはまることわざではない。5秒の間をリスクが大きいときに神頼み的に使うのではなく、パートナーとともに積極的に練習すれば、恋愛関係において最も効果的であることがわかるだろう。
最初の試みは、他のスキルと同じように、ぎこちなく奇妙な感じがするかもしれない。初めてギターを手にしたときはコードの切り替え方が直感的にわからないのと同じように、5秒ルールをいつ使えばいいのか、あるいはどのように役立つのか直感的にわからないかもしれない。そのため、まずリスクの少ない状況で間を置く練習をすることで、より深刻な状況で一時停止が必要になる前にルールに慣れることができる。
研究では、カップルが互いに相手の攻撃の程度を早く反映することが示された。同じ原理が逆にポジティブな場合にも適用できる。
カップルのどちらかがたゆまず忍耐の模範を示せば、相手もそれに倣う可能性が高くなる。この意味で、日常生活での5秒の間の実践は、ルールへの互いのコミットメントを試す素晴らしい方法となる。激しい言い合い以外に5秒ルールを実践する場がないのであれば、以下の状況で試してみることを検討するといい。
・遊び半分の言い合い:ボードゲームやスポーツ観戦、知的な議論、あるいはどの映画を見るかの話し合いなど、友好的な不作法が許される場面ではリスクは比較的低い。このような場面で、反論する前に間を置くようにしてみよう。すぐにトーンが変わることがわかるだろう。たとえ楽しみの一部が台無しになったとしても、5秒ルールを試行錯誤する絶好の機会だ。
・日常のイライラ:多くのカップルにとって些細なイライラは、堪忍袋の緒が切れる引き金になることが多い。緊張状態にある時や、連続して起こりがちな場合は特にそうだ。そのため、些細な問題(家事のし忘れ、食料品の買い忘れなど)は、怒りに任せて反応する前に一旦立ち止まるというスキルを練習する絶好の機会となる。反省するこのような瞬間は、自制と尊重のいい練習になる。
こうした練習の目的は、感情調節の筋肉を鍛えることだ。スポーツ選手はプレッシャーのかかる状況でも力を発揮できるよう、繰り返し練習しなければならない。同様に、カップルはなんてことはない瞬間に間を置く練習をしなければならない。そうしなければ、最も重要な場面で自然に間を置くことができないかもしれない。


