だが難しいのは、間を置くタイミングを知ることだ。このようなシナリオでは、後になって判断したり先見の明を示したりするのは簡単だが、その渦中にいるときに自分の感情的覚醒を認識するのは実に難しい。そうした意味で、口論の最中に自分の苛立ちの程度をモニターすることは不可欠だ。
声がきつくなったり、脈が速くなったりしたら、できるだけ早く間を置く必要性を示すといい。重要な点として、2人とも間を置くことを約束することが挙げられる。この間は文字通り、話すことも身振り手振りも、そしてため息をつくことすらも許されない。間を置けば、落ち着いて会話に戻るのがずっと簡単になる。
2. 「間を置く」ことに関するルールを設ける
もちろん、十分な科学的裏付けのあるこのような戦略も、軽率に実行すれば裏目に出る可能性がある。おそらく、5秒ルールにある最大のリスクは、カップルのどちらかが故意に、あるいは無意識のうちに悪意を持って間を置くことだろう。5秒の間は難しい会話から抜け出すための手っ取り早く簡単な方法かもしれず、相手の話を止める簡単な方法のようにさえ思えるかもしれない。
そのため、このような性質の戦略は、双方が「いつ」「どのように」使うのか合意しておかなければ効果的に機能しない。
間を置く目的は必要な話し合いを避けたり、聞く準備ができていないようなことを言う相手を黙らせたりすることであってはならない。むしろ、会話が非生産的になったり、混乱したりする危険性が高いと双方が認識した場合にのみ使用されるべきだ。
恋愛関係のルールに関する研究が強調しているように、すべての恋愛関係は期待を抱く中で展開されている。そうした期待は明示的なものもあれば、暗に示されているものもあるが、信頼に関してはどちらも同様に重要だ。
多くのカップルは、自分たちの関係におけるルールを重大な取り決めに限定している。だが、日常的なやり取りの中にルールを取り入れることもできる(取り入れるべきだ)。約束のほんの些細なルールでさえ、パートナーシップにおける敬意と安全の前例となる。このようなルールは、おそらく後に関係にヒビを入れる大きな要因が出てくるのを防ぐ最善の方法だ。
この意味で、5秒の間はカップルが活用できる、多くの相互合意のルールの1つだ。具体的にどのようにルールや境界線を設定すればいいのかよくわからない場合は、次のことを検討してみてほしい。
・事前に合図を決めておく:あなたとあなたのパートナーは、間を置く必要性をどのように知らせるか、共に決定する必要がある。その合図は文字通り「ポーズ(一時停止)」と言うことかもしれないし、単に手を上げて特定のジェスチャーをすることかもしれない。合図は明確であればあるほどよい。
・間を置く条件を設定する:間を置くという手段は、エスカレートしそうな緊急時にのみ使用されるべきという事実を双方が十分に理解している必要がある。5秒ルールは逃げ道ではなく、話し合いが少し不愉快になるたびにどちらかが使うべきものでもない。
・適切な間の時間を明確にする:初出の研究では、5秒の間は対立を落ち着かせるのに十分な時間だとしている。とはいえ、もっと長い時間の方が成功につながるかもしれない。2人に合う長さを選んでほしい。


