ヘルスケア

2025.09.08 10:15

大人が「燃えられない症候群」になってしまうワケ

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若い人は、比較的時間に余裕があり、経験値が低く心理的ブレーキもかかりにくい上に、環境的にも恵まれている。

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だから、恋愛や友達付き合いにも夢中になりやすい。

また、勉強や運動、趣味にしても、同じような仲間や知り合いがいるほうが燃えやすいものです。

そして、同質性が高く、同じような義務や課題、機会を与えられながら生活する学生時代のほうが燃えやすい環境にあるわけです。

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脳は新しいものに夢中になる

脳科学的にも、若い時期ほどいろいろなことに燃えやすくなる理由があります。

新しいことを経験すると、脳は喜ぶことが判明しているのです。

「現状維持バイアスと矛盾するのでは?」と感じた方もいるかもしれません。

しかし、人間の脳や心理には、このように相反する仕組みが多くあります。

『燃えられない症候群』(サンマーク出版)
『燃えられない症候群』(サンマーク出版)

 
こうしたズレがあるのは、この世界があまりにも複雑で、人類はその複雑な社会で生き残るべく進化してきたからです。

今、安全な環境にいる人は、現状維持が生存の可能性を高めます。

とはいえ、天変地異などで安全な環境が一変し、同じ環境に留(とど)まっていた結果、長期的には危険な状況に追い込まれる可能性もゼロではない。

つまり、長い目で見ると、新たなものへのチャレンジも、生き残る上では大切な要素になるわけです。

人類はそんな厳しい地球環境に対応できるように、新たなものに刺激を感じ、喜ぶように脳が進化していきました。

大昔の人類における「生存率を高める行動」をすると報酬系が刺激されると第1章で書きましたが、新しいことの経験でもドーパミンが放出されるのです。

その結果、脳には「馴化」(じゅんか)=慣れると退屈に感じる仕組みも生まれています。

新しい方向に行けないと、未来の可能性は広げられません。

古いものをつまらなく、新しいものを刺激的に感じるようになっていったのです。

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文=堀田秀吾/言語学者(法言語学、心理言語学)、明治大学教授

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