スタートアップ

2025.08.31 16:00

AIは最強のパートナー 起業家がコストを削減しイノベーションを生む「4つの指針」

AndreyPopov / Getty Images

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AIによる雇用崩壊への懸念が見出しを賑わせているが、その一方でAI時代に繁栄し得る仕事があることにも注目すべきだろう。抜け目のない起業家たちは、AIの利用を事業の構築と拡大に必要な多様なリソースへ非常に安価にアクセスできる手段と捉えている。以前は大きな投資を要した会計、在庫管理、マーケティング、コンピューティング、そしてイノベーションの機能が、すぐに利用でき実務に投入できるのだ。

AIがもたらす新しい起業の形

これは必ずしもテクノロジー系スタートアップに限らない。AIに囲まれた環境でビジネスを立ち上げる服飾デザイナーを想像してほしい。小売戦略会社RetailBossの創業者でCEOのジーネル・アルバラドは「ブランドは今や物理的な生産を伴わずにフォトリアルなデジタル衣服を作成できます」と話す。

アルバラドは続ける。「コレクションをデジタル限定のデザインとして発表し、AI搭載のファッションモデルのように数百万のフォロワーを持つバーチャルインフルエンサーで反応を試し、売れるものだけを実際に生産します。HeuritechのようなツールはInstagramやTikTokを24時間365日スキャンしてトレンドを予測しますから、ブランドはもはや何が流行しているかを当てずっぽうで推測する必要がありません。無駄を出さない自動操縦のファストファッションのようなものです」。

AI活用に積極的な起業家の動向

最近『ハーバード・ビジネス・レビュー』に掲載されたジェフリー・シェイ、ドナ・ケリー、マフディ・マジュブーリ、トーマス・ダベンポートによる記事と調査は、「起業家は今、AIを用いて大手企業と競争し、小さなチームでもこれまで以上に大きな影響を生み出せることを示している」と述べている。調査は米国の起業家2300人以上を対象とし、大規模な人員を雇わずに事業をさらに拡大しようとする「野心的な起業家」と呼ばれる層が、AIの導入に対してはるかに好意的であることが示された。

著者たちは「AIの支援を使えば、最小のチームでも自分たちの規模をはるかに超えた成果を上げられる」と指摘する。そして「野心的な起業家はAIを活用して意思決定を加速し、新しい市場を開き、業務を合理化できる」と続ける。

調査によると、少なくとも87%が今後3年間にAIが自社のビジネスモデルと戦略にとって不可欠になると見込んでいる。彼らは楽観的でもあり、90%以上が収益と成長への好影響を期待し、革新的な製品・サービスの開発、生産性と効率の向上、顧客のパーソナライズ強化、リスクとコンプライアンス管理の改善などの利点を挙げている。

次ページ > 起業家がAIを導入するための具体的指針

翻訳=酒匂寛

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