ドロノブスも初期段階の試作機か技術実証機とみられるものの、ドローン運搬車両に光ファイバーを導入できることを示している。光ファイバーUGVは放射電波を手がかりに探知することができず、光ファイバードローンもジャミング(電波妨害)など電子戦への耐性がある。
「戦艦から空母へ」の移行をなぞる
かつては重戦車が戦場を支配し、ほかのすべての戦闘車両を凌駕していた。強力な高初速砲と分厚い装甲を備えた重戦車に挑むことができたのは、別の重戦車だけだった。たしかに兵科連合作戦で戦車が効果を発揮するには歩兵や砲兵の支援を必要としたが、対戦車ミサイルでさえ戦車の優位性を何十年も崩せなかった。
だが、小型で数が多く、戦車砲の射程よりもはるか遠くまで届くドローンの登場によって、戦車はその座を追われたように見える。ウクライナの戦場では、戦車は追加装甲を積み重ね、ジャミング装置をいくつも取り付けても、容易に発見・破壊されてしまうため、現在は最前線からかなり後方に下げられている。
また、かつては戦艦がその大型の艦載砲や分厚い装甲のおかげで海戦を支配したが、第二次世界大戦中にその座を航空母艦に明け渡すことになった。空母は戦艦に比肩するほどの高速一斉射撃能力はない一方で、搭載する小型の急降下爆撃機や雷撃機による長距離攻撃が可能であり、そのため世界最強の戦艦だった日本海軍の「大和」も米艦隊に接近する前に撃破される運命にあった。
さらにさかのぼると、1921年、航空戦力のパイオニアであるビリー・ミッチェル米陸軍准将(当時)は、航空機が海戦を一変させると主張し、それを証明するため航空機で戦艦を撃沈する実演まで行ってみせた。海軍提督たちは当時、航空機は航続距離が短く、沿海地域しかカバーできないと反論したが、空母の登場で前提が覆された。
ドローン運搬車両は今後、急速に進化することが予想される。大型・小型、有人・無人、カラクルトのような装軌式、ドロノブスのような装輪式、あるいは歩行式、またドローンを1〜2機を搭載するものから数百機搭載するものまで、さまざまなタイプが生まれる可能性がある。それらは空飛ぶFPVドローン空母と競合することにもなるだろう。カラクルトは、将来、戦車が博物館でしか見られないものになった時代に、そうした数々のドローン運搬用無人システムの先駆けだったと振り返られることになりそうだ。


