ロシアのドローン運搬用UGV
有人のドローン運搬車両は数多く存在する。いくつか例を挙げれば、ドローン48機を発射可能な中国のドローンランチャー、コヨーテ迎撃ドローンを搭載する米陸軍のGBAD(地上配備防空)車両、ドローンの群れ(スウォーム)を発進・回収できる米国のより高度な「ハイブ(Hive)」システムなどがある。しかし、カラクルトのような小型システムはまた少し別のものになる。
この戦争では、攻撃ドローンは目標になるべく近づけてから発進させるのが有効だということが示されてきた。ロシア軍では、突撃兵がFPVドローンを前方に持ち運び、ウクライナ側の塹壕に近づいたタイミングで後方の操縦士に起動、支援攻撃してもらうといった戦術が採られている。ウクライナ軍のほうはFPVドローンを待ち伏せ攻撃に使う場合が多く、ロシア側が使う道路の脇にドローンを着陸・待機させ、目標が近づいてきたら発進させて追跡・攻撃させている。
ロボットによるFPVドローン運搬のメリットはロシア側も認識しており、ウクライナ側と似たようなコンセプトが出現している。先日、モスクワ郊外のハイテク地区スコルコボで開催された防衛展示会「アルヒペラーグ(アーキペラゴ)2025」では、ロシアのゲルメス(ヘルメス)というメーカーが装輪式のFPVドローン運搬車両「アルゴス」を出展した。アルゴスも、よくあるUGVを複数のドローンの運搬や操縦、発進用に改造したとみられる。
ゲルメス社によると、アルゴスは待ち伏せ攻撃のため「何日も」待機できるという。カラクルトと同様に、アルゴスも通常のFPVドローンに加え、偵察ドローンや通信中継ドローンを発進させることができる。システム全体を1人の操縦士で制御する。
ゲルメスは、同社の技術はあくまでドローンの遠隔発進・操縦にあり、プラットフォームとは無関係だと強調している。つまり、この技術はUGVだけでなくドローンや無人水上艇(USV)にも搭載できるという。ただ、こうした説明からは、アルゴスは技術実証機にすぎず、同社はまだ運用可能なシステムを販売できる段階にないということもうかがわれる。
これとは別のロシア製FPVドローン運搬車両も8月8日に公開された。コルネイ科学技術センターが開発したその名も「ドロノブス(ドローン輸送車)」というUGVで、光ファイバーケーブルを通じて通信を行うタイプとなっている。FPVドローンを1機搭載し、こちらも光ファイバー通信型が採用されている。UGV自体は最長10km、搭載するドローンはそこからさらに最長15kmの距離で通信できる。


