警戒からつながりへ
信頼の重要性がわかったところで、多くの人にとって信頼とオープンであることが必ずしも容易ではないことを認識することも同様に重要だ。過去の経験や失望、あるいは人間関係のトラウマなど、さまざまな要因によって警戒心を解くことが難しくなることもある。
信頼の欠如によって過度に用心深くなり、他人を信頼することをためらったり、実際に脅威がなくても最悪の事態を予期したりすることがある。周囲の人と本音で関わるよりも、想像上の脅威から身を守ることに集中してしまうかもしれない。
例えば、過去に裏切られた経験のある人は友人からのメッセージを常に二重にチェックしたり、救いの手を差し伸べられたときに不信に思う理由がなくても、不安を感じたりするかもしれない。
加えて、自分の痛みを抑圧すると完全に心を開くことは難しくなる。だからこそ、自分の傷ついた部分を処理し、癒すことが重要なのだ。その際、自責の念にとらわれないようにしなければならない。
過去の経験と、それが現在の自分にどのように影響を及ぼすかに取り組むことは、パターンにそっと気づき、それが自分の人生にどのように現れているかを理解することだ。それらのパターンを認め、認識したら、異なる対応をするための意図的なステップを取り始めることができる。
このプロセスは必ずしも容易なものではないかもしれないが、専門家の助言を仰ぎながら進めていくといい。
自分を形成した過去の経験を処理し、自分を信頼しにくくしていた部分を癒すことで、自動的にわき起こる警戒心や猜疑心を減らすことができる。時間と練習次第で心を開くことは絶対に可能であり、その脆弱さに喜びを見出すこともできる。


