2. 顧客の観察
顧客が集まる場所で時間を過ごし、彼らが製品やサービスをどのように利用しているかを、意図しない用途も含めて観察しよう。Dyson(ダイソン)のヘアドライヤーにインスピレーションを与えたのが、ジェットエンジンだったことは有名だ。
新入社員が会社に慣れるためのオンボーディングプロセスに、「顧客の観察」を組み込もう。新入社員への課題として、ユーザーを丸1日追跡させよう。フレッシュな視点から、社内の人たちが見落としている要素を発見してもらうためだ。観察は、多大な可能性と力を秘めている。
3. 悩みの監査
マインドフルな気づきを実践しよう。チームメンバーに、ささいないら立ち、ちょっとした不満や不便、「もっと使いやすければいいのに」と思った瞬間のリストを作ってもらおう。絡まってしまうコード、背負い心地の悪いバックパック、使いにくいガーデニング用品、倒れやすい買い物袋といった項目が並ぶかもしれない。
いら立ちや面倒を感じる瞬間は、イノベーションの隠れたきっかけだ。
4. リバース・イノベーション
「トリクルアップ・イノベーション」とも呼ばれるこの現象は、プロセスやサービスが、新興市場などの、低予算かつリソースが限られた環境で誕生し、のちに先進国市場に導入されることを指す。GE(ゼネラル・エレクトリック)が販売する、800ドル(約11万8000円)のポータブル超音波機器は、この一例だ。もとは中国の農村部で発明され、いまでは全米で広く利用されている。
手つかずの未来
画期的なイノベーションに至る道が、常にシリコンバレーを経由するとは限らない。その入口は時に、キッチンの引き出しやバス停、洗濯カゴにあったりする。
真のイノベーションは、私たちの身の回りに、「ちょっとした不便」という形で隠れている。誰かが立ち止まり、じっくり観察して、「これがもっと便利になるとしたら?」と自問するのを待っているのだ。


