リムによると、ロボコアは今回の資金を活用して米国の高齢者施設向けに3万台のロボットを製造するほか、日本の高齢者施設や、中国の一人暮らしの高齢者世帯向けの展開も進めるという。ロボコア最大の収益源はヘルスケア分野であり、同社の顧客の多くは主に遠隔医療のためにロボットを導入する高齢者施設という。こうした施設では、血圧計や体温計などの医療機器を搭載したロボットが、患者が遠隔で医師による診察を受けることを可能にしている。
5年以内のナスダック上場を視野に
「米国では、患者を高齢者施設から病院まで搬送する場合に、救急車の費用も含めて1回あたり1200ドル(約17万7000円)ものコストが生じているが、この費用は、実際には保険会社が負担している。そのため、保険会社はこうした高額な搬送費を支払う代わりに、当社に1回あたり30ドル(約4430円)を支払えば、ロボットを通じた遠隔診察を患者に提供できる」とリムは述べている。彼はまた、ロボコアが昨年、ニューヨークの高齢者施設に導入した130台のロボットによる遠隔医療サービスのみで、180万ドル(約2億6600万円)の収益を上げたと付け加えた。
ロボコアの2番目に大きな収益源は教育分野であり、その次に展示会関連が続くという。また、世界で約1300校の学校が、ロボコアが独自開発したSTEMカリキュラム付きロボットを生徒のプログラミング学習向けにレンタルするために、月額料金を支払っているとリムは付け加えた。一方で、同社のロボットは展示会にも導入されており、広告の表示や来場者登録のサポート、警備パトロールといった用途にも使われている。
「ロボット分野には、中国やアメリカからさまざまなブランドが参入しているため、ハードウェアのみを売っても利益は極めて薄い。そこで当社は事業戦略を転換し、特にヘルスケアや教育、展示会といった分野で、自社サービスの提供に注力するようにした」とリムは語った。
彼はまた、ロボコアを今後3年から5年以内にナスダックに上場させることを視野に入れていると語った。同社は、新規株式公開(IPO)に向けた競争力強化の一環として、ロボットにAIを組み込み、「セルフプログラミング」を可能にする開発を進めているという。これは、ロボットが重い荷物を持っている人を検知した際に自動的に支援するなど、現実の状況に自律的に対応できるようにするためのものだとリムは説明した。また彼は、階段を上れるロボットや、芝生や小石の上をスムーズに移動できるロボットの開発にも取り組んでいる。
ヒューマノイドが次の大きなロボット技術の飛躍として注目される一方で、リムは引き続き車輪型ロボットに注力すると述べている。「私たちは常に新たな発明に注視しているが、興味の対象はヒューマノイドではない。なぜなら、私たちは人々を助けたいのであって、派手な見せ物をつくりたいわけではないからだ」と彼は語った。


