北米

2025.08.26 09:30

米メタの集団訴訟、1000億円の和解金に「秘密のリベート」疑惑 裁判所が精査

Cristian Valderas / Shutterstock.com

リベートを巡る新たな訴訟の展開

プライベート・エクイティのシルバーレイクとP2キャピタル・パートナーズが所有するブラックホークは、これまで一貫して集団訴訟の和解金の支払いにデジタルのプリペイドカードを組み込む見返りとして、訴訟の請求管理会社に「リベート」を提供してきた(このリベートは数年前に内部告発者のトッド・ヒルシーによって発見された。彼は2024年10月にその調査レポートを発表している)。

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今年4月には、このリベートをめぐってアンジオンを含む大手請求管理会社3社を相手取る集団訴訟が、ペンシルベニア東部地区で起こされた。この裁判の原告は、3社を詐欺やその他の違反で告発し、これらリベートは「単なるキックバックにすぎない」と主張するとともに、請求管理会社が弁護士や判事、そして原告である消費者に対してこの合意を秘密にしていたと非難した。

アンジオンとブラックホークの主張

アンジオンはこの訴訟を「根拠を欠くもの」と呼んでいる。この訴訟ではブラックホークも被告に加えられており、原告は同社を共謀や不当利得、そして詐欺の幇助で告発している。ブラックホークの広報担当者はフォーブスのコメント要請に応じなかったが、同社は以前の声明で、自社のプログラムは「関連する連邦および州の法律・規制を完全に順守している」と述べていた。

メタのプライバシー訴訟において、アンジオンはブラックホークとの契約をカリフォルニア北部地区連邦地裁のヴィンス・チャブリア判事のみに開示し、判事が非公開で精査することを認めた。チャブリア判事は、その契約を公開記録として提出すべきかどうかを判断できる。

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アンジオンの広報担当者はフォーブスに宛てたEメールの声明で、同社が「関連する和解契約および裁判所命令の条件に従って和解金を管理している」と述べた。さらに、同社がメタの訴訟に関連してブラックホークからまだ収益を受け取っていないが、ブラックホークとの契約は同社に経済的利益をもたらすことを見込んでおり、その利益は、「集団訴訟の原告に分配される資金を減らすことも、和解基金に追加のコストを課すこともない」と付け加えた。

リベート額の推定と影響

しかし、ここでなお残る明白な疑問は、「ブラックホークがアンジオンにいくら支払うことに合意していたのか」というものだ。トッド・ヒルシーが入手した2020年のEメールとフォーブスが取材を通じて得た情報によると、ブラックホークの幹部は、集団訴訟の和解金をデジタルデビットカードで支払う条件として、請求管理会社に「ディスカウント」もしくは最大3.5%のリベートを提示していた。これを前提にすると、1億5000万ドル(約2205億円)のデジタル支払いで、ブラックホークからアンジオンに渡る金額は500万ドル(約7億3500万円)になる。そして、もしリベート率がさらに高い7%であれば、その金額は1000万ドル(約14億7000万円)に達する。

和解金配分の改善策を巡る提案

メタの訴訟の弁護士は先日、共同状況報告を提出し、デジタルのプリペイドカードを用いた支払いを、より消費者に配慮したものにするための変更案を提案した。例えば、ブラックホークは、カードをメールで送信する際に、受け取った人がまずリンクをクリックして有効化しなければ資金が和解基金から出ない仕組みにすることが可能だ。この仕組みにより、消費者の受信箱で見過ごされてしまったメールによる支払いが和解基金から流出し、最終的にブラックホークに未使用残高の手数料として吸い込まれる事態を防ぐことができる。

弁護士はまた、消費者に対してカードを有効化し残高を利用するよう促すための、複数回のリマインダーメールを送ることも提案した。これは、11カ月間利用がないデジタルカードの受取人に対し、1度きりのリマインダーを送るという従来の対策に代わるものだ。さらに別の提案では、和解金の分配に使用されるデジタルのプリペイドカードを、全面的に他の支払い方法に置き換える選択肢も示された。

全米で広がる和解金処理の透明性強化の動き

集団訴訟の支払いをめぐる疑わしい慣行に対する監視は強まっている。先日は不動産業者が仲介手数料をつり上げるために共謀したとされる大規模な集団訴訟で、ミズーリ西部地区のスティーブン・ボー判事が命令を出し、原告側弁護士に新たな開示リストの作成を求めた。この調査は、弁護士が訴訟に関与する企業──訴訟資金の提供会社や銀行、プライベート・エクイティ、ヘッジファンド、和解金の管理会社、ベンダー、その他類似の機関──と経済的な関係を持っているかどうかを明らかにするよう求めるものだ。判事の狙いは、弁護士が未開示の利益相反を抱えることを防ぐことにある。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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