米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が金利引き下げの可能性を示唆したことを受け、米国時間8月22日の米国株式市場は全面高となり、世界の富豪たちの純資産に数十億ドル規模の利益が加わった。
フォーブスの推定により世界一の富豪とされるイーロン・マスクの純資産は、テスラ株が22日午後までに一時5%上昇したことで約93億ドル(約1兆3700億円)増え、総額は4170億ドル(約61兆4700億円)前後に達した。
世界第2位の富豪でオラクルCEOのラリー・エリソンは、オラクル株が一時1.7%上昇したことで純資産が44億ドル(約6490億円)増加し、総額は2820億ドル(約41兆5700億円)となった。
第3位のマーク・ザッカーバーグの純資産は、メタ株が一時1.8%上昇したことにより36億ドル(約5310億円)増加して2585億ドル(約38兆1000億円)となり、第4位のジェフ・ベゾスの純資産は、アマゾン株が一時2.5%上昇したことによって44億ドル(約6490億円)増え、2390億ドル(約35兆2300億円)となった。
アルファベットの共同創業者である第5位ラリー・ペイジと第6位セルゲイ・ブリンの純資産は、それぞれ32億ドル(約4720億円)増の1713億ドル(約25兆2500億円)、29億ドル(約4270億円)増の1594億ドル(約23兆5000億円)となった。アルファベット株は一時3.6%以上の上昇を見せている。
エヌビディアのCEOを務める第7位のジェンスン・フアンの純資産は、エヌビディア株が一時1.8%上昇したことで20億ドル(約2950億円)増の1542億ドル(約22兆7300億円)となり、第8位で元マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマーの純資産は、マイクロソフト株の小幅上昇で約5億1300万ドル(約756億円)増の1530億ドル(約22兆5500億円)となった。
米国には非上場ながらLVMH株も3%以上上昇し、第9位の同社CEO、ベルナール・アルノーとその家族の純資産は約29億ドル(約4270億円)増の1509億ドル(約22兆2400億円)となった。第10位でバークシャー・ハサウェイCEOのウォーレン・バフェットは、株式市場全般の上昇を背景に6400万ドル(約94億3000万円)の利益を得て、その純資産総額は1460億ドル(約21兆5200億円)となった。
パウエルの講演は、22日にワイオミング州ジャクソンホールで開かれた年次シンポジウム「ジャクソンホール会議」内で行われ、その内容は利下げが近いことの示唆として受け止められた。パウエルは、安定した失業率やその他の経済指標によりFRBは金融政策を「慎重に進める」ことができ、「リスクのバランスが変化するにしたがって、政策のスタンスを調整する必要があるかもしれない」と述べた。彼は、米国の労働市場は改善しており、その経済は「回復力」を示しているとしつつ、関税が「持続的なインフレの動きを引き起こし」、それが「評価・管理すべきリスク」となり得るとも警告した。ドナルド・トランプ大統領はパウエルに対し、数カ月に渡り大幅な利下げを迫り続けていた。



