スポーツファンを美術館に呼び込むことを目指した巡回展が、米国で開催されている。昨秋から2025年2月18日まで、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)で行われていた『Get in the Game: Sports, Art, Culture(始めよう:スポーツ、アート、カルチャー)』展が、開催地をアーカンソー州ベントンビルにあるクリスタルブリッジズ美術館(Crystal Bridges Museum of American Art)に替えて、9月13日に開幕する。
さらに、その後は2026年3月から9月まで、フロリダ州マイアミにあるペレス・アート・ミュージアム・マイアミ(Pérez Art Museum Miami、PAMM)で行われる予定となっている。
スポーツが築く「文化」を体験
巡回展のスタート地点となったSFMOMAは、アスリートをテーマにしたアートや、アスリートが制作したアートを紹介するこの展覧会について、22人が同時に戦うことができるテーブルサッカーやその他の作品を「体験する機会」でもあると説明している。
そして、この企画が提供するのは基本的に、「私たちの文化と精神にスポーツがどれほど影響を及ぼしているかということを表す物語のコレクション」であり、「それらの物語は、『ゲーム』に対する私たちの情熱を燃え上がらせるようなもの」だとしている。
また、関係者はこの展覧会について、オリンピックから地域のレクリエーションリーグまで、「スポーツの世界でどのように最も象徴的なイメージが生み出され、忘れられない人間の物語が展開されてきたかを体験すること」ができるものだと述べている。
いっぽう、クリスタルブリッジズ美術館によると、この展覧会では「意外なアングルから捉えたポートレート」から、水泳選手ダイアナ・ニヤドの決意の固さを知ることができる。
また、映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』の上映を通して、女子テニスの世界チャンピオンだったビリー・ジーン・キングが元男子ランキング1位のボビー・リッグスの挑戦を受けて臨んだ「伝説的な試合」で直面したプレッシャーを感じたり、光沢のある陶器に描かれたその姿から、プロバスケットボール(NBA)のスーパースター、スコッティ・ピッペンのレガシーをたたえることができる。



