欧州

2025.08.25 13:00

ウクライナがロシアの無人機供給網への攻撃激化 脅威を根元から断つ狙い

ウクライナ北東部ハルキウで、ロシアから飛来したシャヘド-136(ロシア名・ゲラニ-2)型ドローン(無人機)の残骸を調べる地元検察当局者。2025年7月30日撮影(Scott Peterson/Getty Images)

ロシアはさらにデコイ(おとり)ドローンも導入し、通常型とデコイ型をともに大量に生産している。おとりを混ぜてドローンを大量に投入し、ウクライナの防御網を圧倒することを狙っている。また、最新型のゲラニは任務中に飛行経路を変更してウクライナ側の防御手段などを直接攻撃できるらしく、保護された遠隔操作システム、あるいはAI(人工知能)を利用した高度なナビゲーション(航法)が採用されているとみられる。

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対ドローンを含めて、ウクライナの防御はおおむね、ロシア側の技術革新を受けてそれに対処するという意味で受動的なものとなっている。ウクライナの技術者らも創意工夫を重ねているものの、ロシアは確立した防衛産業を有しているため、新しいシステムの迅速な生産や改良で有利な面もある。

ウクライナはそれを減じるために、より攻撃的な戦略に切り替え、ロシアの生産工場や供給拠点、研究施設に対する攻撃を強化している。目的は、ロシアの新型ドローンの開発・配備能力を弱体化させ、ひいてはウクライナ側が戦争の主導権を取り戻せる状況をつくり出すことにある。

シャヘドの製造や配備を担う施設を攻撃することで、ウクライナはロシアによるシャヘドの生産能力を制限し、飛来するドローンの数自体を減らそうとしている。ネットワークに焦点をあてたこうした対処方法は、迎撃だけに依存するものよりも効果的である。とりわけ、ロシア側が大規模な波状攻撃でウクライナの防空網を圧倒することを狙っている現在はなおさらである。使用できるドローンの絶対数を減らせば、その分、ウクライナ側がドローンを阻止できる可能性も高くなる。

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ドローン戦の行方

ウクライナはこの先、シャヘド関連施設への攻撃をいっそう強化し、長距離攻撃能力の向上にともなってロシア領内をさらに深く攻撃する可能性が高い。こうした戦略により、ロシアのシャヘド量産能力を制限し、ウクライナの防空網への圧力を緩和できるかもしれない。生産工場や保管施設、補給線、研究拠点を攻撃目標にすることで、ウクライナはたんなる受け身の対応ではなく、ロシアのドローン作戦の基盤そのものの侵食を図っている。

とはいえ、この戦いは依然として流動的である。ロシアは引き続き適応し、施設の防護を強化するだろうし、ウクライナはそれに応じて長距離攻撃システムの一段の改良を迫られるだろう。シャヘド型ドローンに関するウクライナの戦略の長期的な有効性は、ウクライナがロシアに対する縦深攻撃を継続し、ロシアの技術革新を妨害し、ウクライナの都市や前線に到達する前にシャヘドの流れを断ち切れるかどうかにかかっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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