宇宙

2025.08.26 10:30

観測史上最大級、太陽の360億倍「極大質量ブラックホール」を新たに発見

「宇宙の馬蹄」重力レンズ系をハッブル宇宙望遠鏡が捉えた画像。背後のはるか遠方にある青色の銀河からの光が、手前にある赤橙色の銀河の巨大な質量によって生じた時空の歪みで曲げられて馬蹄形のリングを形成。赤橙色の銀河の中心に、新たに検出された極大質量ブラックホールがある(NASA/ESA)

史上最大のブラックホールはどのようにして見つかったか

宇宙の馬蹄のブラックホールは、重力レンズ効果と、銀河内の恒星がブラックホールの周囲をどれくらいの速度で、どのように移動しているかの解析結果を組み合わせることで検出された。今回の研究結果をまとめた論文は、英国王立天文学会の学会誌Monthly Notices of the Royal Astronomical Societyに掲載された。

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論文の共同執筆者の1人で、英ポーツマス大学教授のトーマス・コレットは「今回の研究では、ブラックホールが及ぼす2通りの影響を検出した。ブラックホールの近くを通る光の進路を変えることと、母銀河の内部領域の恒星群を極めて高速で移動させることだ」と説明する。問題の恒星群は秒速400km近い速度で移動している。

しし座にある2つの銀河で構成される重力レンズ系「宇宙の馬蹄」(中央右)の周辺領域を、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3が可視光と赤外線で捉えた画像から作成された合成画像(ESA/Hubble & NASA)
しし座にある2つの銀河で構成される重力レンズ系「宇宙の馬蹄」(中央右)の周辺領域を、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3が可視光と赤外線で捉えた画像から作成された合成画像(ESA/Hubble & NASA)

宇宙の馬蹄は、衝突合体した太古の銀河からなる「化石銀河群」であると考えられている。コレットは「当初は伴銀河内にあった超大質量ブラックホールの全てが合体して、今回検出された1つの極大質量ブラックホール(Ultra-Massive Black Hole、UMBH)を形成した可能性が高い」として「今回の研究では、銀河形成の最終段階とブラックホール形成の最終段階を目の当たりにしているわけだ」と話した。

forbes.com 原文

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翻訳=河原稔

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