北米

2025.08.31 15:00

「飲酒は少量でも害」説に強力な反論者現る──ワイン業界のキーパーソンに聞く

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世論調査会社ギャラップによる最近の調査結果──「飲酒する成人の割合が過去最低を記録(米国)」という発表がワイン業界の懸念を生んでいる。その影響はどれほど深刻なのか。適量のワインを楽しむ消費者や、全米にある数千軒のワイナリーを守るために今、業界はどう動くべきなのか。

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その答えを探るべく、私は米国屈指のワイン専門PR会社Colangelo & Partners(コランジェロ&パートナーズ)の社長、ジーノ・コランジェロを取材した。

今や多くの人が『飲酒は少量でも害』と認識

「ワイン業界はすでに関税や景気後退、減量薬『オゼンピック』(飲酒欲求を減らすと言われる)、さらに大麻成分入り飲料やRTD(缶入りカクテルなどの即飲型飲料)といった代替飲料との競争激化など、さまざまな問題に直面しています」とジーノは説明する。「ですから今回の調査結果は、私たちが抱いていた不安を裏づけるものだったのです」

彼は調査結果のなかで特に衝撃的だった2点を挙げた。「1つ目は、飲酒すると答えた成人の割合がわずか54%だったことです。これは過去90年間で最低の記録です! 2つ目は、回答者の半数以上が『飲酒は少量でも体に害がある』と回答したことです」

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ジーノは、「適度な飲酒」とは昔から米国農務省(USDA)が提唱してきた「男性は1日2杯、女性は1杯」という理解だったはずで、適度な飲酒はむしろ健康に良いとされてきた、と話す。

「今や理解が真逆になったのですから衝撃的です。でもメディア業界にいる私たちにとって、これは驚きではありませんでした。ここ何年もの間、ワインやお酒に対する批判的な報道が圧倒的に多かったからです」

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翻訳=猪股るー

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