彼は今回ギャラップが、「飲酒は少量でも健康に悪影響を及ぼす可能性がある」とした点を指摘した。「こうした偏った情報ばかりがメディアで大々的に取り上げられ、『適度な飲酒は害が無い』、それどころか『むしろ有益である』可能性を示した近年の研究は無視されているのです」
「新常識」によるワイン業界への打撃
私は、こういった昨今の「新常識」による米ワイン(そして他のアルコール飲料)業界への打撃についてジーノに尋ねた。
「打撃は深刻とは思ってません。私はこうした調査はあまりあてにならないと考えています。調査が行われた時期や、回答者がその日に見たニュースの影響などで結果が大きく変わることもありますからね」
「むしろ今回の調査結果は、ワイン消費の減少という課題に私たちが改めて目を向け、業界が団結して取り組むきっかけになる、という意味ではプラスに働く可能性があると思っています」
米ワイン業界の生き残り策
ビジネスにおいて、変化はつきものだ。だからこそ、潜在的なリスクに対しては、戦略的に先手を打っておく必要がある。ではこの「新常識」が世界をかけめぐった今、米ワイン業界(そして世界のワイン業界)は、消費者を獲得、維持するためにどのような対策を講じるべきなのだろうか。
「できることは本当にたくさんあります」とジーノは言う。「ワイン業界は団結し、ワインを愛するべき理由を積極的に、数多く、一貫して発信していくべきです」
そうしてジーノは、ワインの魅力について改めて語った。たとえばワインは8000年以上も前から存在する「農業に根差した飲み物」であること、そしてワインが文化や料理、歴史、もてなし、ロマンス、自然とも深く結びついていることなどだ。
「さらに、ワインは世界中の農村に経済活動をもたらしています。そして(ジーノのルーツがある)イタリアでは、ワインは日常の食卓に欠かせないものです」


