一方、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)やアムネスティ・インターナショナルなどの国際人権団体は、クリミア半島でのロシアによる人権侵害の状況について調査を行っている。2024年に公表されたアムネスティ・インターナショナルの報告書によると、ロシア当局は宗教文献を摘発するために、主にクリミア・タタール人を標的に家宅捜索を行っている。同半島に居住する100人以上のイスラム教徒が根拠のないテロ関連の容疑で起訴された上に、最長24年の懲役刑を言い渡され、ロシアで服役しているという。報告書はさらに、同半島内でロシア語以外の言語で活動する報道機関や放送局はロシア当局への登録を拒否されており、実質的に活動が違法となっていると指摘した。
クリミア半島を巡る争いは今日も続いている。最近では、クリミア半島の領有権が18日のホワイトハウスでの首脳会談でも議論され、ゼレンスキー大統領は、同半島はウクライナに帰属すると改めて強調した。トランプ大統領はゼレンスキー大統領、プーチン大統領との三者会談の開催を試みており、会談が実現すれば、クリミア半島やドンバス地方など、ロシアが占領するウクライナの地域が重要な議題となるだろう。
トランプ大統領とゼレンスキー大統領の会談
トランプ大統領は18日の会談に先立ち、ウクライナはクリミア半島に対する領有権の主張を放棄するよう求めるロシア側の要求を考慮しなければならないとSNSに投稿した。だが、会談後は同半島には言及せず、「ロシアとウクライナの平和構築の可能性について誰もが非常に喜んでいる」と投稿した。
クリミア半島がどのようにしてウクライナに返還されるのかは誰にも分からない。いずれにせよ、西側諸国の首脳がゼレンスキー大統領との対話を続ける上では、ウクライナに属していた同半島のクリミア・タタール人やその他の先住民の声に耳を傾けるべきだろう。
会談後のゼレンスキー大統領のX(旧ツイッター)への投稿は、クリミア半島への言及を意図的に避けつつ、代わりに「安全の保証」と、歴史的にウクライナのクリミア半島に対する領有権を認めてきたEUの「結束と揺るぎない支援」に焦点を当てていた。ロシアとウクライナの首脳は早ければ2週間以内に交渉を開始する可能性がある。クリミア半島は、平和構築か戦争継続かの分かれ目となる重要な問題となることは間違いない。


