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2025.08.25 08:00

米国株の「AIバブル」はいつまで続くか その特異性と読み解き方

JRdes / Shutterstock.com

キンドルバーガーの枠組みに照らすと、バブルの中心にいる企業が潤沢なキャッシュフローを誇るというのが異例だとすれば、現在の状況には通常と異なる点がほかにも2つある。

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ひとつは、主要国・地域の短期金利と長期金利が「中立」に近い、つまり経済をふかしすぎもしなければ冷やしすぎもしない水準近辺にあることだ。バブルは普通は金融緩和によって特徴づけられるか、もしくはそれに続いて起こるものだ。もっとも、過去10年は量的緩和から財政支出まで、刺激策がほぼ継続的に実施されてきた時代だったことには留意しておく必要がある。

もうひとつの特異な点は、今回の株式バブルが地政学的・経済政策的な不確実性がきわめて高い状況のなかで起こっていることだ。大国間競争から貿易秩序の崩壊、世界における米国の役割の再編まで、状況は混沌としている。こうした不安定要因が現在のバブルの物語にうまく「はまる」唯一の点は、AIが戦略的資産、簡単に言えば「絶対に必要なもの」になっていることだ。たとえば、米政府が自国の半導体企業であるインテルに戦略的な出資をするのもこれと関連している。

筆者は2024年初めに「バブルの醸成」について書いたが、現在はAIを中心とした市場バブルの「中」に入っていると考えている。ただし、本格的な「熱狂」というバブルの最終段階にはまだ達していないともみている。AI関連株は短期的には動揺する可能性もあるが、その後再び上昇するかもしれない。

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ドットコム・バブルや欧州の不動産バブルで筆者自身がどんな経験をしたかについては、別の機会に詳しく書きたい。今回のバブルについて「まだそこまで至っていない」という感じを持っているのも、そうした経験に基づく判断だ。今回のバブルもいずれ、不条理なことをいろいろと起こした末に終わることになるだろう。不条理なことというのは、たとえばエヌビディアの時価総額が10兆ドル(約1470兆円)に迫るだとか、食品会社がAIの導入を発表しただけで株価が倍増する、あるいはAIは生産性を3倍に高めて債務を帳消しにできるという突飛な予測が飛び交うなどといった事態だ。同時にその裏で、AIが雇用市場やエネルギー市場にもたらす構造的なリスクも顕在化してくるかもしれない。

とはいえ、現時点ではまだそこまで至っていない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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