責任ある仕事を任されるようになり、仕事量が増えたのに、肩書きや報酬は変わらない──職場では、そういうことが往々にしてある。こうした変化は、フラストレーションにつながり得る。特に、それに応じた評価や昇給がないのに、自分がより多くの仕事をしている、と感じる場合はなおさらだ。
こうした状況に対処するには、自己主張と外交、戦略のバランスが必要だ。昇進や昇給がないまま、職務記述書の内容を超えた新しい仕事や役割を担っているのなら、選択肢を評価し、行動を起こす時だ。
状況を客観的に査定する
結論を急ぐ前に、一歩下がって自分の責任の変化を査定しよう。これは、特定のプロジェクトや出来事による一時的な増加なのか、それとも、自分の役割が恒久的に変更されたように見えるのか。新しい仕事は、自分のスキルセットの範囲内であり、キャリア目標に沿ったものであるか、それとも、最初に採用された時に言われた仕事の範囲を大きく超えるものなのか。
時には、より多くの責任を負うことで、自分の能力をアピールし、昇進の機会につながることもある。追加された仕事が短期的な挑戦であるなら、がんばる価値はあるかもしれない。しかし、自分の貢献が正式に認められていないのに、仕事量の増加が新たな常態となりつつあるなら、燃え尽きや憤りにつながる前に対処することが重要だ。
さらにそうした新たな責任が、公平に分配されているかどうかも検討しよう。リストラや採用凍結のために、チーム全員の仕事量が増えている場合は、現時点で上司は昇進や昇給を提供できない状況なのかもしれない。より広範な背景を理解することは、このような変化について上司と話し合う際に、アプローチの枠組みを作ることに役立つ。
「期待されること」や「仕事の役割」を明確にする
正式な承認がないまま職責が拡大した場合は、上司と話して役割の範囲を明確にする時かもしれない。あなたがこなしている余分な仕事の大変さを、上司が十分に認識していない可能性もある。1対1の面談をスケジュール調整し、自分が引き受けた仕事の概要、当初の職務記述書の内容との違い、新しい職務を通じて組織にもたらしている価値などについて説明する機会を持とう。
上司との会話では、プロ意識を持って問題にアプローチしよう。議論を不平不満の枠にはめるのではなく、自分の役割がどのように進化したかに焦点を当て、今後何が期待されているのかを明確にするよう求めよう。
例えば、こんなふうに持ちかけるといいだろう。「私の役割が広がって、X、Y、Zの仕事が含まれるようになったことに気がつきました。私はそれらをうまく処理できています。これらの責務が、私の長期的な役割の一部になるのか、また、私がやっている仕事と、私の肩書きや報酬をどのように調整させていくかについて、話し合いをさせていただければと思います」
自身の貢献と、与えているポジティブな影響を中心に話を組み立てることで、「役割が明確に定義され、正当な報酬が支払われることを望む、積極的で解決志向の強い従業員」として自身を位置づけられる。



