本物のリーダーシップと、有害なリーダーシップの微妙な境界線
操作的なリーダーが、本心を巧みに隠している場合、本物のEIと、その対極にある有害性を区別することは難しい。しかし、本物のリーダーシップと、感情を悪用する行動を見分けるのに役立つ、いくつかの危険信号がある。
1. 一貫性のない行動
本物のリーダーは、状況にかかわらず、共感と支援を示す一貫した行動をとる。一方、有害なリーダーは、自分の目的のためだけに支援を行い、それが達成できなくなると手を引くなど、しばしば不安定な感情的反応を示す。ある瞬間は思いやりがあるように見え、次の瞬間には操作的になるようなリーダーは、その一貫性の欠如が危険信号だ。
2. 感情の武器化
本物のリーダーはEIを活用し、チームメンバーが安全で、尊重され、評価されていると感じられる環境をつくり出す。一方、有害なリーダーは、感情を武器として使い、チームメンバーの弱みにつけ込んだり、罪悪感を抱かせたり、感情的に脅迫して従わせようとする。自分の感情が、ほかの誰かの目的のために操作されていることに気付いたら、それは有害なリーダーシップの兆候だ。
3. 人間関係のコントロール
本物のリーダーは、信頼と相互尊重に基づいて人間関係を構築する。本物のリーダーは、チームメンバーに仕事の責任を持たせ、自分の能力を信じられるように支援する。一方、有害なリーダーは、EIを使って人間関係をコントロールし、チームメンバーを自分の承認に依存させ、権力を維持する。リーダーの承認が、条件付きまたは操作的だと感じられる場合は危険信号だ。
4. 透明性の欠如
本物のリーダーは、コミュニケーションがオープンで、透明性がある。対話を奨励し、過ちを認め、率直なフィードバックを大切にする。対照的に、有害なリーダーはしばしば、曖昧な感情表現の陰に隠れることで、部下が自分の位置を理解しにくくする。あなたのリーダーが、直接的なコミュニケーションを避け、感情操作に頼っている場合、それは有害な行動の兆候だ。
5. 心理的安全性の欠如
本物のリーダーシップの特徴の1つは、心理的安全性、つまり、部下が非難や報復を恐れることなく、自分自身を自由に表現できる環境をつくり出すことだ。一方、有害なリーダーはEIを利用して、真逆の環境をつくり出す。つまり、部下が自分の意見を述べたり、権威に異議を唱えたりすることを恐れるような環境だ。自分の考えや懸念を表明することに不安を感じる場合、こうした安全性の欠如は、有害なリーダーシップの明確な兆候といえる。


