仮面の裏に隠れた操作
EIを悪用する有害なリーダーはしばしば、共感や心配という仮面の裏に、操作という別の顔を隠している。こうしたリーダーは、親しみやすい印象を与え、チームメンバーの私生活について探るような質問を投げ掛け、部下の幸福に関心があるように見えるかもしれない。しかし、それはあくまでも表の顔であり、多くの場合、利己的な意図が隠されている。
こうしたリーダーは持ち前のEIを、「後で悪用できる個人情報」を集めたり、部下の忠実さと従順さを、偽りの親密さで維持したりするための手段として利用している。
一般的な戦術としては、共感を武器にして、部下に対する影響力を獲得することが挙げられる。有害なリーダーは、理解や同情を装い、チームメンバーの感情を、自分の利益のために利用する。例えば、部下の個人的な悩みや弱点につけ込み、その恐れや不安を巧みに操ることで、部下が独自の意見を述べたり、権威に異議を唱えたりできないようにする。
このような感情的操作によって、信頼関係は徐々にむしばまれる。部下は混乱し、孤立し、閉じ込められたような感覚に陥る。
こうしたリーダーは、感情のシグナルを読み取り、チームの力学を巧みにコントロールする能力も備えている。彼らは、期待に応えられないメンバーや、権威に疑問を投げかけるメンバーを罰する手段として、温かく支援的な口調から、冷たく距離のある口調へと態度を一変させることがある。
また、リーダーからの承認を得られるかどうかをコントロールすることで、チーム内に力の不均衡を生み出す。メンバーは、良い評価を得るため、あるいは不承認を避けるため、より一層の努力を強いられることになる。


