リーダーシップ

2025.08.27 12:00

ビジネスリーダーが活かす内向性の資質――「傾聴と熟慮、共感」が組織を成長へ導く

Shutterstock.com

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職場では外向的なリーダー像が注目されがちだが、実際には内向型のリーダーも組織に欠かせない力を発揮している。傾聴力や思慮深さ、共感力を強みとする彼らは、外向型とは異なるアプローチでチームの信頼を築き、持続的な成果につなげる。本稿は「どちらが優れているか」を問うものではなく、内向型と外向型がそれぞれ持つ価値を再確認し、両者の特性をどう活かすかを考えるための視点を提供する。

より穏やかなリーダーシップという視点

職場で称賛されるリーダーの特徴といえば、積極的な自己主張、カリスマ性に満ちた性格、「迅速に動き、現状を打破する」姿勢と相場が決まっていて、内向的な人の出る幕はないように思える。リーダーシップは外向的な人のものだと、私たちは思い込んでいる。つまり、会話の主導権を握り、スピーチで感銘を与え、スポットライトをほしいままにする人たちのものだと。

だが、もしかしたら私たちは、より穏やかなリーダーシップの在り方を、ずっと見落としてきたのかもしれない。

内向的なリーダーは、往々にして組織の縁の下の力持ちだ。彼らは思慮深さ、共感、チームの深い理解に根差した、かけがえのない強みをもっている。本当のところ、内向的なリーダーの秘められた力は、単なる代替的なリーダーシップスタイルではない。それは、持続可能な成功に不可欠な原動力なのだ。

リーダーシップをめぐる誤解

何十年ものあいだ、リーダーシップは外向性と混同されてきた。職場でいちばん声が大きい人は、往々にして最も有能とみなされ、人が集まる状況でうまく立ち回る人が天性のリーダーと称えられる。こうした誤解に基づき、リーダーシップとは、人前でのパフォーマンスであり、大胆な意思決定、はっきりした意思表示、自信満々の態度であるという、私たちの理解が形成された。

だが、リーダーシップに関するこのような偏った理解は、内向的な人が発揮する隠れた強みを見落としている。内向的なリーダーは、会話の主導権を握ることはないかもしれないが、多様な意見に耳を傾け、分析と熟考を経て行動に移す。彼らのアプローチは、時間をかけた慎重なものだが、往々にしてより思慮深いものでもあり、より良い意思決定やチームの結束強化につながる。

内向的な人は、熟考や内省が必要とされる環境で真価を発揮する。話すより聞くことを好むために、多様な意見を取り入れ、協働と尊敬のカルチャーを育むことができるのだ。彼らは、成果を上げるのにスポットライトを必要としない。彼らの控えめなアプローチはしばしば、より思慮深い、戦略的リーダーシップとして結実する。

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翻訳=的場知之/ガリレオ

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