18歳となり美しく成長したパルテノペは、大学で人類学を学ぶようになるが、周囲の若者たちの視線を集める「美の化身」のような存在ともなり、ナポリの街を闊歩する。
そんな彼女に、サンドリーノは自らの思いを告白するが、確かな答えは返ってこなかった。一方、パルテノペと兄のライモンドは強い絆で結ばれており、兄妹愛を超える感情すら存在していた。
23歳の夏、パルテノペは、ライモンドの提案でサンドリーノもともにカプリ島へ出かける。ナポリの南に位置するカプリ島は風光明媚なリゾートだが、懐の寂しい若者3人は豪華なホテルやパーティーに潜り込み、ひと夏の旅を謳歌していた。
パルテノペは、その勝手に入り込んでいたホテルのプールサイドで、1人の人物と出会う。偶然にも彼はパルテノペが長らく敬愛していたアメリカ人作家のジョン・チーヴァー(ゲイリー・オールドマン)で、彼女は彼の部屋で書きかけの原稿を読むことになる。
その眺めの良い部屋でパルテノペが「あなたを愛しても?」とチーヴァーに尋ねると、彼からは「美は戦争にも似て可能性の扉を開く」とやんわりと断りが告げられる。
チーヴァーの言葉で自身の美しさを自覚した彼女は、富豪の誘いにも乗りカプリ島の夜を思いのまま楽しむ。そしてその果てについにサンドリーノの想いを受け入れる。しかし2人の距離が縮まれば縮まるほど兄のライモンドは孤独に苛まれ、自ら死を選ぶことに。最愛の兄の死をきっかけに、パルテノペの人生は変転していくのだった。
これに続き、美しさを武器に女優を志望したり、ナポリの街の闇の部分を目撃したしたり、自らの人生のなかで居るべき場所を探していこうとするパルテノペの波乱に満ちた物語が語られていく。


