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2025.08.25 12:30

AIはバブルかインフラか? 73兆円評価のOpenAIが狙う数百兆円投資

Photo Illustration by Algi Febri Sugita/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

急拡大する利用と採用の現実

普及率の指標は、バブルを唱える懐疑論者が見過ごしがちな物語を物語っている。アルトマンは最近、OpenAIの顧客における推論モデルの利用が爆発的に増加していることを明らかにした。無料ユーザーの1日あたりの利用率は1%未満から7%に、有料のPlusユーザーは7%から24%に急増した。これは、バブル期のテクノロジーに典型的な浅い普及曲線ではない。不可欠なツールとなりつつあるものの急峻な軌道だ。

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投資家の神経質な反応

Futurum Groupにおける私たちの調査によれば、オンデバイス処理、自動運転、エッジコンピューティング、エージェント型AIシステムを考慮に入れると、AIの推論ワークロードは2030年までにコンピューティング全体の80%以上を占める可能性がある。これが正確であれば、私たちが目にしているのはバブルではなく、モバイル以来の最も重要なコンピューティングプラットフォームの転換の初期段階ということになる。

米国時間8月19日のハイテク株の急落は、MITの「95%の企業が生成AIからリターンを得ていない」とする調査が一因となって引き起こされたものであり、AI投資に対する市場の神経質な雰囲気を象徴している。エヌビディア(NVIDIA)は3.5%、パランティア(Palantir)は10%近く下落し、投資家がAIによるリターンが十分に早く具体化しないことを示唆する情報に、ますます敏感になっていることを示している。

しかし、ChatGPTの登場以来、私が言い続けているように、AIは世界の主要経済国とその他の国々の趨勢を決める存在となるため、このインフラ構築は数十年続くだろう。私たちはまだ始まったばかりなのだ。企業のAI導入が即座に測定可能なリターンを示すべきだという期待は、変革をもたらすテクノロジーがどのように社会に浸透していくかについての根本的な誤解を反映している。企業は通常、主要な技術シフトからのROI(投資収益率)を四半期単位では評価しない。数年単位で評価するのである。

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翻訳=酒匂寛

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