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2025.08.23 11:00

アンソロピックが「社会福祉」に進出、ソーシャルワーカーの業務をAIで効率化

Sidney van den Boogaard / Shutterstock.com

Sidney van den Boogaard / Shutterstock.com

子どもや家庭を支援するソーシャルワークでは、膨大な事務作業が最大の壁となっている。人工知能(AI)大手のアンソロピック(Anthropic)は、ファウンダーズ・ファンドの出資を受けるBinti(ビンティ)と組み、AIでこの問題に取り組み始めた。アンソロピックにとって政府の社会福祉分野は初の参入だ。

AIでソーシャルワークの事務作業を効率化

膨大な書類作業は、恵まれない子どもたちを里親家庭と結びつけるという、最も重要な社会福祉の仕事を妨げる大きな障害の1つになっている。裁判資料、家庭調査、住宅支援プログラムへの紹介などの書類を集めて記入する手続きが、人々をサポートするための本来の業務の進行を遅らせている。

アンソロピックは、AIがその助けになると考えている。同社は、全米で約550の社会福祉機関に所属する1万2000人以上のソーシャルワーカー向けのデジタルプラットフォームを提供するスタートアップ、Bintiと提携し、彼らの業務の管理を容易にする新しいツールを開発している。

面談録音や手書きメモを自動でデジタル書類化

その機能の1つは、ソーシャルワーカーが家庭と行う面談を(同意を得たうえで)録音し、その内容を文字起こしして行政報告書などの書類に自動入力するものだ。このプロセスでは、手書きの書類をアップロードすると、AIが内容を抽出して各種様式に自動入力する。ソーシャルワーカーは、AIが作成したドラフトを承認するか、修正を加え、誤りが入り込まないようにする必要がある。

担当する案件に関連するすべての情報(書類やメモ、データ、機関の方針など)をアップロードすれば、チャット形式で即座に情報を引き出せる。数百ページに及ぶ資料を探す手間が不要になる。

Binti共同創業者のフェリシア・カーカルーCEOは、フォーブスにこう断言した。「ソーシャルワーカーは子どもや家族を助けるためにこの分野に入った。そして彼らは、例外なく書類作業を嫌っている」。

アンソロピックが政府の社会福祉分野に初参入

この取り組みは、アンソロピックが5月に立ち上げた「AI for Social Good」プログラムの一環だ。このプログラムは、社会的インパクトを目指して取り組む企業や非営利団体にAIツールや支援を提供することを目的としているが、対象となるのは、他のスタートアップのように必ずしも派手さや商業的成功を伴わない組織だ。

「アンソロピックを創業したとき、AIが人々の生活を意味のある形で変革できると信じていた。書類作業を効率化して、子どもと愛情ある里親家庭をより早くつなげるBintiの取り組みはまさに、私たちが実現したいと願ってきた現実世界でのインパクトだ」と、ダリオ・アモデイCEOは声明で語った。

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編集=上田裕資

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