Binti設立の背景と成長
2017年に設立されたBintiは、社会福祉事業の業務の近代化を目標に掲げている。カーカルー自身も長年、児童福祉と個人的なつながりを持っており、里親のもとで暮らす若者を支援するボランティアを約10年続けてきたほか、自身の姉が2人の子どもを養子に迎えた際には、その過程に伴う困難やストレスを間近で見てきた。
カーカルーがBintiの立ち上げを決意したきっかけは、サンフランシスコ郡の児童福祉のソーシャルワーカーに同行した経験だ。彼らが、家族の状況把握にエクセルの表や付箋といった原始的なツールを使っている現状を知り、改善したいと考えた。Bintiの技術は現在、1万2000人以上のソーシャルワーカーに利用されており、「事務作業に費やす時間を最大40%削減できている」と誇っている。
全米に広がる利用と資金調達の状況
同社は米国の児童福祉全体のほぼ半分を担う全米36州の機関と連携しており、その中にはロサンゼルス郡の児童家庭サービス局やユタ州の里親支援機関が含まれる。
Bintiはこれまでに約6000万ドル(約89億円。1ドル=148円換算)をベンチャーキャピタルから調達した(この金額はAIスタートアップの巨額な資金調達ラウンドと比べれば控えめだ)。出資者には、筆頭株主であるファウンダーズ・ファンド、First Round Capital、Kapor Capitalなどが含まれる。ファウンダーズ・ファンドによる投資は、パートナーのトレイ・スティーブンスが主導した。
そして3月にBintiは、アンソロピックのアモデイの関心を引いた。
アンソロピックCEOとの出会いと提携のきっかけ
カーカルーは3月にアリゾナで開かれたAllen and Companyのカンファレンスでアモデイと会った。そして昼食を共にするなかで、アモデイは、アンソロピックが政府と緊密に連携する方法を模索していると語り、カーカルーはそこに好機を見いだした。また、アモデイは同社LLMのClaudeを、「患者のセンシティブな情報で訓練することには関心がない」とも話していたと、彼女は振り返る。
「それを聞いて、他のLLMよりもアンソロピックと組みたいという思いが強まった」と彼女は語っている。


