米国の衛星システムに対するロシアの初の攻撃
ロシアの軍事情報当局は、この宇宙戦争の最初の戦闘で奇襲攻撃を実施した。ウクライナ国防省が空軍のパイロットや海軍の艦長、各地の将兵らの指揮で依存していた米国の衛星コンステレーションの地上端末を攻撃したのだ。
このサイバー攻撃によって米ビアサット社の送受信機が瞬時にクラッシュし、ウクライナの政治指導者たちと、武装したその守護者たち、さらには欧州や世界の支援諸国とを結んでいた死活的に重要な通信ラインが遮断された。
英国のリズ・トラス外相(当時)は「ロシアの軍事情報部門」が米国の衛星事業者やウクライナに対する攻撃を仕掛けたと非難し、ロシアは「厳しい報復措置」に直面するだろうと警告した。
だがそれ以降、ロシアに科された制裁は、プーチンの拡張主義的な野望やソ連帝国再生の夢をくじくこともできなければ、西側の意志とウクライナ支援を打ち砕くことを狙った破壊工作のエスカレートを思いとどまらせることもできていないとグロスフェルドは話す。
「欧州で何度も破壊工作が行われてきたにもかかわらず、米国もNATOもロシアへの対抗措置を講じていない」とも指摘する。
グロスフェルドは、米欧のこうした対応を受けてプーチンは、ウクライナに対する地上での戦争で支配地を得るかたわら、秘密裏の破壊工作活動を宇宙空間に広げることに意欲的になっている可能性があると述べている。


