教育

2025.09.01 10:15

英語ネイティブはなぜ会話を遮るのか 日本人が知らない常識

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特に、「メルティングポット(人種のるつぼ)」や「サラダボウル」と呼ばれるアメリカやカナダのような多民族国家には、自国の政府のやり方に反対して移民してきた人なども多いのです。ですから、そんなローコンテクストカルチャーの人々は、あなたの意見が、自分の意見と違っても気にしません。

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例えば、私がアメリカで出会った多くの方々は、「意見の違いは面白い」と、むしろ喜んでくださいました。

それに大前提の価値観として、「Freedom(フリーダム) of(オブ) Speech(スピーチ)(各々が自分の意見を言う権利)」を持つことが、とても大切だと考えていらっしゃいました。

日本では「同調圧力」という言葉が流行ったくらい、不文律として、みんなが同じ意見であることが求められる気がします。「Freedom of Speech」とは真逆ですね。

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なぜ話を遮ってでも質問していいのか

少し脱線してきましたので本題に戻りましょう。

なぜ「英語を聞く時、相手の話は行儀よく聞かなくていい」のか、をご説明している途中でしたね。

日本人は「私達」という意識が強いので、「初めて話す人」との共通点を探そうとする傾向があります。そのため、質問や意見の相違を明確にすることを避け、相手の感情に寄り添いながら話を聞こうとします。これは「ハイコンテクストカルチャー」の特徴と言えるでしょう。

逆に、文化や歴史上の共通点をお互いが持たないアメリカに住んでいるような「ローコンテクストカルチャー」の人々は、どうでしょうか。

おわかりのとおり、日本人とは真逆です。

初めて話す人には、「自分とは共通点がない者」として接してきます。そして相手を知るために、相手の言ったことで意味のわからないこと、納得できないことは、すぐに質問してきます。

そんな状況に出くわすと、日本人は驚いてしまう方も多いと思います。話の途中で質問されて、「まだ私が話しているのに、質問してきた」「意見の違いをはっきり言ってくる」という風に、思われるかもしれません。

日本人は踏み込んだ質問や意見を否定されることに慣れていないので、最初はビックリします。

でも英語ネイティブ達は、じつは、あなたや、あなたの話に興味があるから、より正確に理解したくて、話の途中でも質問してくるのです。

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文=高橋まき/英語講師

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