そうしてリスニングしている途中に、英語の意味がわからなくなっても、まずは最後まで聞いている。そんな日本人の方がほとんどのように思います。しかし、わからない時は「わからない」と言い、質問が浮かんだ時には「質問がある」と伝えましょう。すぐさま、その場で。その習慣が、英語での会話を上達させます。
もし質問があっても、質問しないままだと、聞く機会を失いかねませんし、そうするとお互いにもやもやするでしょう。
ハイコンテクストカルチャーの影響
ここに私は日本人特有の「ハイコンテクストカルチャー」の存在を感じます。
ハイコンテクストカルチャーとは、翻訳っぽく言うなれば「高いレベルで文脈(コンテクスト)を共有している文化」となります。
言葉そのものよりも文脈や非言語的要素(表情、仕草、関係性など)を重視する文化のことです。
日本や韓国といった比較的シンプルな民族構成の国がその代表で、暗黙の了解や間接的な表現が多いのが特徴です。
例えば日本人同士であれば、何か意見を求められた時に
「うん!」
「うんうん」
「う、うん…」
「う~~ん……」
と文字にすると同じに思えるような相(あい)槌(づち)を打ちながら、表情や仕草で「肯定」「否定」「どちらでもない」といった気持ちを相手に伝えることができます。
しかし、このようなコミュニケーションは“ハイコンテクスト”な日本人同士だから成立しているのであって、海外の人にはまったく理解ができません。
一方、アメリカやカナダといった移民の多い国の文化を「ローコンテクストカルチャー」と呼びます。「ロー」は「低い」という意味ですから、「国民同士で共有している文脈のレベルが低い文化」というわけです。
ローコンテクストカルチャーの国々では、明確で直接的なコミュニケーションが求められます。お察しのとおり、同じような背景を持っていない人達がたくさんいるからです。
例えば、何か意見を求められたのなら、
Yes / I agree. 賛成です。
No / I disagree. 反対です。
I’m on the fence. 迷っています。
などと、立場を明確に伝えなければいけません。


