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2025.08.22 10:30

Nothingは「本当に必要なAI」を追求する、カール・ペイCEOインタビュー

Nothing CEOのカール・ペイ氏にインタビューした

Nothing CEOのカール・ペイ氏にインタビューした

英国ロンドンを拠点にするテクノロジーブランドのNothingは、間もなく創立から5年を迎えようとしている。個性的なプロダクトデザインなど、独自のアプローチからテクノロジー業界に新風を吹き込むNothingから、最新のフラッグシップスマートフォン「Phone(3)」と、ブランド初となるアクティブノイズキャンセリング機能搭載のワイヤレスヘッドホン「Headphone(1)」が発売される。

CEOのカール・ペイ氏が製品の特徴、そしてスマートデバイスとAIの今後について語った。

実用性も進化した“光るスマホ”のフラグシップ

Nothingは2020年にロンドンで創業して以来、約5年で累計売上高が10億ドル(約1470億円)を超える規模にまで成長した。大きな原動力になった製品が2024年に発売したスマートフォンの「Phone(2a)」だ。同年、Nothingはその前年比較で事業規模を2倍以上に拡大したという。

日本市場におけるNothingの存在感を際立たせた製品が、日本では2025年の4月に発売されたスマートフォンの「Phone(3a)」だ。日本で販売するPhone(3a)にはFeliCa対応を加えて、さらに楽天モバイルとのキャリアパートナーシップを初めて開始して販路を拡大した。その結果、日本がPhone(3a)にとって最も大きな市場の1つになったとペイ氏は語る。Phone(3a)の成功により「日本市場に受け入れられた手応えと、今後の展開に自信を持つことができた」とペイ氏は嬉しそうに笑みを浮かべた。

Nothingの歴代スマートフォンは、背面に搭載するLEDライトシステムによる「Glyph(グリフ)インターフェース」を搭載してきた。Phone(3)では、この独自のユーザーインターフェースが姿を変え、480以上のマイクロLEDにより構成する「Glyphマトリックス」に進化している。背面側右上にある円形のサブディスプレイがそれだ。

ペイ氏はGlyphインターフェースのアイデアが誕生した背景から、独自の“光るインターフェース”の軌跡を振り返った。

「現代の私たちの生活はスマートフォンに振り回されがちです。例えばソーシャルメディアに多くの時間を費やしてしまったり、気がつけば画面にクギ付けになって何かのコンテンツの没頭してしまったり、“スマートフォン”という名前のデバイスであるのにも関わらず、私たちをあまり賢くしてくれません。この問題を解決するためにNothingはGlyphインターフェースを提案しました」

次ページ > 背面の小さなディスプレイは、明滅するライトパターンよりもはるかに多くの情報を表示できるように

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