デバイスを裏返した状態でも、着信や通知を受けた際に背面のLEDが点灯・点滅して知らせてくれる。ライトパターンで誰からの着信か、あるいはどのアプリからの通知かを判別できるように設定をカスタマイズすることも可能だ。着信音を鳴らさなくても通知に反応できるので、静かな環境でも便利に使えると、ユーザーからは前向きな評価を得ているという。
Phone(3)のGlyphマトリックスでは、この機能を「さらに進化させた」という。ペイ氏が説明を続ける。
「背面の小さなディスプレイは、明滅するライトパターンよりもはるかに多くの情報を表示できるようになりました。例えば、以前は特定の人からの連絡を明滅のパターンで覚える必要がありました。Glyphマトリックスにはアイコンや絵文字、テキストなどが表示できるため、光による情報の意味がより素速く直感的に伝えられます」
ユーザーからは「なぜ従来のようなGlyphインターフェースのライトパターンをなくしたのか。マトリックスと両方あってもいいいじゃないか」というフィードバックも寄せられたという。ペイ氏は「スマートフォンのディスプレイ表示から解放するための機能が、再び複雑化してユーザーを惑わせることは避けるべきと考えた」と答える。
その代わりにというわけではないが、Glyphマトリックスをカスタマイズしたインタラクティブツールやミニゲームを作るためのSDK「Glyph Developer Kit」を公開した。Nothingのコミュニティメンバーやその他大勢の開発者が独自の「Glyph Toys」や様々な体験をつくり、共有できるプラットフォームを提供している。
アップルとは逆のアプローチ。Nothingの「スマホのAI」はできることを1つずつ実現する
現在のプレミアムスマートフォン市場について、ペイ氏は「すでにとても成熟しており、技術の進化は漸進的だ」と厳しい見方を示す。ちょうどNothingが創立する直前の2020年ごろには本体が折り畳める“フォルダブルスマートフォン”も誕生したが、「各社フォルダブルスマホの販売台数はまだ伸び悩んでおり、ニッチなアイテム」だと指摘する。


