作風の変化について原口は「今も自分が好きなことや作品に対するこだわりは変わってなくて。それを包んでいる箱とかラッピングが変わっただけだと思っています」と語る。音楽家として最も影響を受けた存在に挙げるのが坂本龍一だ。
「幼少期から聴いてきたのもあって、自分の判断基準やセンスのもとになっていると思います。それに、坂本さんは誰もやったことのないことを次々とやってきた。トップにいて尊敬されている方がそれだけ変なことをやってきて、それが良いとされている。勇気をもらいました」
原口は25年5月に京都で開催されたYMOトリビュートコンサートにも小山田圭吾や岡村靖幸らと共に参加した。
「人生のなかでいちばん華やかな経験でした。自分が聴いてきたジャンルのなかに入れた感がありました」
日本独自のカルチャーをつくる
リリース予定のアルバム『イ三』は三部作の最終章として位置づけた作品だ。代表曲「人マニア」やVTuber月ノ美兎をゲストに迎えた「贋ト旧称」、鎮座DOPENESSやU-zhaanとのコラボ曲など全30曲を収録した集大成的となる。
「ちゃんとつくった実感があるし、僕のいちばん好きな作品になると思います」
尖った実験性と人懐っこさをあわせ持つ「誰も聴いたことのないポップス」を開拓する原口沙輔。日本独自のポップカルチャーの未来を担う才能のひとりだ。
「もう少し自分の好きな音楽家やアーティストが居心地よくなるための手助けができるようになりたいなと思います。ストレートに良いと思える企画、納得できるクリエイティブが増えるといいなと思う。できることはやらせてくださいという気持ちです」
はらぐち・さすけ◎2003年、愛媛県生まれ。15歳でメジャーデビュー。テレビ番組やゲーム音楽・劇伴・CM曲の提供、アーティストプロデュース、企画などを行う。自身で作詞、作曲、 編曲、Mix、アートワークを手がけ、ソロ作品ではボーカロイドとのデュエットや、映像の制作もする。
シャツ\39600円/アナーキスト テイラー(シアン PR Tel:03-6662-5525)、その他スタイリスト私物



