30U30

2025.08.30 11:30

令和ロマンくるまと考えるUNDER30世代の「本音」【サンゼロゼロサン1周年】

メインMCを務める令和ロマンの髙比良くるま

メインMCを務める令和ロマンの髙比良くるま

MCに令和ロマンの髙比良くるまを迎え、2024年8月にスタートした音声配信番組「3003‐サンゼロゼロサン‐」。Forbes JAPAN 30 UNDER 30の受賞者でつくる、ビジネスカルチャー番組の1年を振り返る。

※本記事は、2025年8月25日発売のForbes JAPAN10月号は「30 UNDER 30」特集からの転載です。販売中の本誌と合わせてお楽しみください。


「世界を変える30歳未満」に選ばれた若きプロフェッショナルたちが、ジャンルを超えて「本音」で語り合える場所があったら──。そんな発想から生まれた音声配信番組が「3003‐サンゼロゼロサン‐」。Forbes JAPAN 30 UNDER30と博報堂が運営する音声配信サービス「Artistspoken」との協業で2024年8月に立ち上がり、25年7月で配信50回を超えた。

MCの髙比良くるま(令和ロマン)をはじめ、アーティストから起業家まで総勢43人の30 UNDER 30アルムナイたちが出演してきた3003。「世界を変える」「業界を変える」と第一線で活躍するエネルギッシュな同世代たちは、どんな「本音」を話してくれたのか。特に大きな反響があった回を振り返る。

「3003」は毎週日曜日22時〜Podcast、Spotify、ArtistSpokenで配信中
「3003」は毎週日曜日22時〜Podcast、Spotify、ArtistSpokenで配信中

「死ぬのが嫌」と語ったのは♯7、♯8に登場した、漫画家の魚豊。「生きていて楽しいことばかりだし、人類史のもっと先を知りたい」と、作品にもつながる信念を語った。くるまの「僕は使命感で動いている」という言葉に、「人間は使命がないと生きていられないのか?」と議論する場面も。♯21、♯22に登場したブレイクダンサーのShigekixは、オリンピック前の練習を振り返り「正解にたどり着くために、あえて寄り道を大事にしている」と話し、出演者たちで“無駄の重要性”について考えた。

20代~30代前半が集う番組ゆえに、活動領域は違えどもリアルな世代論が交わされることも多々ある。テレビ東京の大森時生、建築家のサリー楓、stuプロデューサーの高尾航大が出演した♯38では、三十路目前の3人が「最近はチームのなかで、マッチョ思考が残るミレニアル世代と効率主義のZ世代に板挟みになる。僕ら宙ぶらりん世代だよね」と盛り上がり、共鳴するリスナーの声も多かった。

MCくるまとトークする小澤杏子、大澤正彦
MCくるまとトークする小澤杏子(左)、大澤正彦(右奥)

妄想から生まれたコラボレーション

MCのくるまは番組内で時折、ゲストとのコラボレーションを妄想することがある。映画プロデューサーの雨無麻友子と「いつか映画をつくってみたい」だったり、佐々木孔明(レッドクリフ 代表取締役)とドローンを使って「誕生日に渋谷の街をジャックしよう!」だったり。

ゲストに登場した佐々木孔明
ドローンを見せる佐々木孔明(レッドクリフ 代表取締役)

それが番組内で実演されたのが、♯44「GALとJAZZ」だった。「ギャルの会話ってセッションみたい」という話から、ギャルサー出身の赤荻瞳(渋谷女子インターナショナルスクール校長)とウクレレ奏者のRIOとともに、ギャルとウクレレの音色とでセッションが行われた。こうした小さな妄想が、日本や世界を動かすような大きな動きにつながるかもしれない──。なぜなら30 UNDER 30受賞者だから、と楽しい予感がする一幕だった。

ギャル(赤荻瞳)とジャズ(RIO)とくるま
(左から)ギャル(赤荻瞳)とジャズ(RIO)とくるま

7月20日には、アニメーターの米澤柊を迎えた節目の♯50を配信。この日、これまでさなざななゲストの活動を紹介したり“想い”の言語化を手伝ったりしていたMCのくるまが、はじめて「壁」にぶつかる。芸術家である米澤が、作品や創作についてどうしても言語化できない状態を見て、「言葉の敗北」を宣言するのだった。言葉で定義してしまうのがベストな選択ではないことを学んだ時間となった。

「3003」は今後も新規受賞者を交えて配信予定。多くの期待を引き受けてチャレンジを続ける彼ら彼女らの間で交わされる会話には、きっと明るい未来へのヒントが隠されている。

次ページ > MC 髙比良くるまが語る「3003」で見えた「僕らの世代」

文=田中友梨、川上みなみ 写真=加古伸弥、木村辰郎

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3003 ‐サンゼロゼロサン‐

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