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2025.08.22 09:00

中国政府がトランプ政権の「TikTokアカウント開設」をあざ笑う理由

Ascannio / Shutterstock.com

「クローン版アルゴリズム」を開発中

一方、TikTokはすでにこの事態を見越して動いている。ロイターは5月に、同社が米国限定の「For You」アルゴリズムのクローンを開発していると報じた。これは米国版のTikTokと既存のアプリを切り離す際に使用される可能性がある(もっとも、中国政府がこのクローンアルゴリズムが、政府の資産であり売却が禁止されているアルゴリズムの一部もしくは全体を基盤としていることを問題視するかどうかは不明だ)。さらに、ニュースサイトThe Informationは7月に、バイトダンスが米国向けの別のTikTokアプリを開発中で、トランプ政権の猶予措置の期限の9月17日に先立ち、9月初めに公開する計画だと報じていた。

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もしTikTokが米国限定のアプリを立ち上げるなら、いずれにせよ何らかのアルゴリズムが必要になる。しかし中国政府はこのアプリが、バイトダンスが開発した「For You」ページのアルゴリズムを使用することを認めないことを示唆している。つまり、クローン版アルゴリズムの技術的・法的な扱いは依然として不透明であり、TikTokは当面、動きが取れない状況に陥る可能性がある。

一方、トランプはこれまでと同様に再び延長を認め、TikTokが米国法に違反したまま運営を続けられるようにするかもしれない。しかし、商務長官のハワード・ルトニックは「中国政府が売却を承認しなければ9月にTikTokは米国で停止する」と異なる見解を示している。

また、トランプ政権と中国政府が「見せかけの売却」に合意する可能性もある。これは、実質的にはTikTokの中国支配を維持しつつ、トランプにとっては何らかの取引を成立させたという見かけの成果を与えるものだ。このような取引は昨年議会が成立させた法律に違反する可能性が高いが、その場合、履行を迫るのは議会と裁判所の役割となる。

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3度目の猶予措置の延長期限が迫るなかで、確かなのはどちらかの道を選ぶしかないことだ。それは、トランプが法を無視し続けTikTokを中国の支配下にとどめるか、あるいはTikTokが大きく変質するかということになる。なぜなら、これまでこのアプリを定義づけてきた技術が使えなくなるからだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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