分刻みのスケジュールで挑戦を続けるビジネスエグゼクティブは、世界各地への移動が日常だ。時間価値を最重視するトップ層にとって、長距離移動による疲労は大きな課題となっている。その概念を根本から覆すチャレンジが、ANAビジネスジェットが手配するプライベートジェットの機内で始まっている。
到着地で最大のパフォーマンスを発揮するために、移動時間を貴重な「回復のゴールデンタイム」に変える。その革新的な体験のサポートをするのが、いま注目を集める疲労回復パジャマ「BAKUNE」だ。
プライベートジェットは、欧米に追随する形で日本でも利用が拡大している。主な顧客層は企業トップなどのビジネス客、政府要人、富裕層ファミリーなどだ。プライベートジェットは希望する時間に専用ターミナルから出発できるため、特に分刻みのスケジュールで動くビジネス客にとっては、効率的な都市間移動を可能にする。
機内は応接間のような空間とベッドルーム、ギャレーを備え、機内食やドリンクは航空法の範囲内で利用客の要望に応じてカスタマイズされる。ANAビジネスジェット(以下、ABJ)社長の世継崇は、「移動する時間価値の最大化を目指して、サービスを提供しています。利用客は忙しく活躍される方ばかりなので、広い機内空間でリラックスしていただきたい」と語る。
ABJがTENTIAL(以下テンシャル)との協業を始めたのは、2023年のことだ。TENTIALは創業者・中西裕太郎が高校時代の心臓疾患でサッカー選手の夢を断念した経験を原点に、2018年に設立されたコンディショニング企業だ。スポーツ科学の知見を活かしてアパレルや寝具、インソールなど健康を支えるアイテムをBtoC展開している。
社名は「ポテンシャル」に由来し、「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」というミッションを掲げる。健康は医学と密接に関係することから科学的根拠を重視した製品開発にこだわり、複数のプロアスリートを共創パートナーとして支援している。そのテンシャルがABJと協業し、プライベートジェット利用客に疲労回復パジャマ「BAKUNE」の提供を始めた。
「挑戦する人を応援する」思いをともに
当時、研究機関により科学的効果の証明は進んでいたものの、BAKUNEの認知度はまだ低く、世界の第一線で活躍する挑戦者への認知拡大が課題だった。「限られた時間で最大限のパフォーマンスを発揮する必要性は、アスリートもビジネスパーソンも同じです。多忙なエグゼクティブにこそ、移動中に疲れる前に身体のコンディションを整えていただきたいと考えました」と、中西がABJに協業を提案した背景を振り返る。
話を受けた世継は、偶然にも友人からBAKUNEをプレゼントされた経験があった。ショートスリーパーの世継だが、BAKUNEを着て寝ることで、睡眠環境を大事にするようになり、コンディショニングを意識しはじめたのだという。
「自分が気に入ったように、効果を試したいという方も多いでしょうが、個人購入には価格面のハードルがある。それは、プライベートジェット利用客も同様でしょう。であれば、まずお試しいただけるようプレゼントしよう」と協業を決断した。「挑戦する人を応援する」——ABJとテンシャルの想いが重なった瞬間だった。
利用客のあらゆる要望に応えるプライベートジェット。その中で、BAKUNEは利用客の想定を超える、ABJとテンシャルからの「移動時間=コンディショニングの時間」という新たな価値提案だ。
多忙な挑戦者が抱える健康課題にアプローチ
飛行機移動は気圧変動により身体にも負担をかける。加えて長時間の同一姿勢により血流が滞り、筋肉の緊張や疲労が蓄積される。これは特に、過密スケジュールで緊張状態が続くエグゼクティブ層にとって深刻な課題だ。
この課題にアプローチできるのが、疲労回復パジャマのBAKUNEだ。核となるのは特殊繊維「SELFLAME®」の技術である。この繊維は身体から発せられる遠赤外線を吸収し、再び身体に輻射(熱エネルギーを放射)することで血行を促進する。血行促進により筋肉のコリ等の改善、疲労回復が促される仕組みだ。科学的根拠に基づいて開発されたBAKUNEは、家庭用遠赤外線血行促進衣自主基準をクリアし、一般医療機器として届出を完了している。※1
※1:届出年:2023年 医療機器製造販売届出番号:13B1X10360000026(ABJにて提供しているBAKUNEに関する届出)
2024年4月に開始されたプライベートジェットでのBAKUNE提供は、利用客から好評を博している。
「各界のエグゼクティブから、ポジティブな感想を多数いただいています。ある富裕層ファミリーは、全員がBAKUNEを着用したまま到着地で機内から降りてこられました。よほど着心地が良かったのでしょう」(世継)
この話を聞いた中西は、「当社単独ではアプローチできなかった層に、我々の価値が届いていることを実感します」と手応えを語る。
「フライトコンディショニング」という新たな文化を創る
デジタル化の進展により、移動時間の意味は大きく変化した。かつて「移動」そのものが目的だった時代から、交通機関でもインターネット接続が当たり前となり、移動時間も「仕事時間」に変わった。移動による身体負担に仕事負荷が加わり、疲労度は飛躍的に増大している。
だからこそ、「移動時間=コンディショニングの時間」という提案が秘める価値は大きい。ANAグループでは、より多くの利用客にこの革新的な価値を提供するために、羽田―ニューヨーク、および羽田―サンフランシスコの国際線ファーストクラスでもBAKUNEのテスト導入をスタートした。
また、シフト勤務が多く身体的負担の大きいANAグループ社員向けにも、TENTIALによる睡眠セミナーを実施するなど健康経営にも注力している。
中西は「ANAグループのような日本を代表する企業との協業は、TENTIALブランドの信頼性向上にも寄与します。グローバルで活躍する挑戦者にBAKUNEを体験いただくことを足がかりに、海外進出も視野に入れています」と将来構想を描く。日本のものづくり産業は、世界でシェアを拡大してきた歴史をもつ。TENTIALもその一翼となり、日本発のコンディショニングブランドとして世界でシェアを獲得していくストーリーを構想しているのだ。
両者が掲げるキーワードは「フライトコンディショニング」。移動が多い時代における、新しい文化を醸成したいという思いを込めている。
「どれほど多忙でも、飛行機の移動時間は短縮できません。機内という限られた空間で自由に動き回ることもできない。だからこそ、着用するだけで疲労回復にアプローチできることの意義は大きい。それをANAグループが最初に実現することに、挑戦者としての価値があります」と世継は語る。この取り組みにおいて、挑戦者を応援するABJやTENTIALもまた、挑戦者なのだ。
中西も、「移動など余白の時間で健康維持のためにできることは、まだまだあります」とさらなる展望を示す。
高齢化社会における医療費抑制の観点からも、予防・コンディショニングの重要性は増している。移動時間での疲労回復という新しい発想が秘める可能性は無限大だ。
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通気性を高めた、夏・秋におすすめしたいBAKUNE Dry





