2025年8月25日発売のForbes JAPAN10月号は「30 UNDER 30」特集。30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで『Forbes JAPAN』では18年より開催し、7年間で総計300人を選出してきた。
今年も4つのカテゴリから30人の受賞者を選出。ENTERTAINMENT&SPORTS部門の受賞者のひとりがプロデューサー/ビートメイカーのKoshyだ。
2024年に「チーム友達」「Mamushi」などを手がけ、その名を世界に轟かせたKoshy。「日本語」を武器に、ヒップホップの本場米国でもビッグドリームを追いかける。
今、ヒップホップを聴いている人で、「Koshyアッツー」というプロデューサータグ(=楽曲に挿入されるプロデューサーのシグネチャーとなるフレーズ)を耳にしたことがない人は、もはやいないだろう。
日本のヒップホップシーンから突如現れた、世界的プロデューサー。それがKoshyだ。2020年ごろから国内ラッパーのプロデュースで注目を集め、千葉雄喜との「チーム友達」(24年2月)で海外でも大きなバズを起こした。その勢いのままグローバルな舞台へと一気に駆け上がり、世界的ラッパーであるミーガン・ジー・スタリオンと千葉雄喜とともにつくった「Mamushi(feat.Yuki Chiba)」(24年6月)がこれまた各国で大ヒット。「Mamushi」を使った動画がTikTokで200万本以上投稿されていることからも、彼が今どれだけ影響力のある存在になっているかが伝わるはずだ。ほかの大物アーティストとのコラボも多数進行中で、飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍を見せている。
「TikTokを開いたら、海外の人が“Koshyアッツー”って意味もわからず言いながら踊ってる動画がたくさん出てくるんですよ」とうれしそうに笑う。そういった瞬間に、自分のつくった音楽が世界で聴かれていることを実感するそうだ。
曲のハードな印象とは裏腹に、実際の彼は腰が低く、とても実直。言葉にも飾り気がなく、その人柄はそのまま曲にも現れている。Koshyのつくるビートといえばシンプルでノリやすく、とにかく一回聴いたら忘れられないインパクトがある。どうやったらあんなビートがつくれるのかと聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
「あんまり何も考えてないです(笑)。クラブにいる時のリアルな感覚を忘れずにつくってるからですかね。あの音を、体で覚えている感じです。あと重要なのは、引き算でつくるということ。最近はもう、曲づくりで粘るのを止めたんです。これは千葉雄喜くんもよく言うんですけど、うまくいかなかったらとにかく粘らずに次にいく。次、次、次ってつくりまくってます」



