研究資金削減への対応と大学改革
ストイカの研究室はトランプ政権による研究費削減の影響を受けておらず、今後も当面はその可能性は低い。「私たちは他のラボよりも恵まれた立場にある」と彼は説明する。現在600万ドル(約8億7600万円)以上の年間予算を持つバークレーのコンピューターラボは、2010年代初頭からグーグルやIBMなどのハイテク大手の民間資金で支えられてきた。また、ストイカ自身の会社であるAnyscaleからの資金も受けている。
しかし、同じバークレーの研究者の中には影響を受けた者もいる。古典文学をより身近なものにする試みから気候変動対策に至るまで、幅広い分野のプロジェクトが停止に追い込まれたのだ。研究停止の影響を理由に提訴に踏み切った研究者もいる。
バークレーで最も成功している教授の1人であるストイカは現在、学部長のジェニファー・チェイズの言葉によると、「コンピューティング・データサイエンス&ソサエティ学部(CDSS)全体にわたる研究資金の削減問題に対応するタスクフォースの議長を務めている。議長としての彼は、自身の研究室に大きな成果をもたらしたモデルにならい、同僚の教授たちに民間からの資金調達を活発化させるよう促している。
「彼は企業やベンチャーキャピタルにどうアプローチするかについて、驚くほど創造的なアイデアを打ち出しながらリードしている」と学部長のチェイズは述べている。
学生を支え続け、教室を離れない理由
ストイカから直接指導を受けた80人以上の学生たちは、彼のリソースと人脈の恩恵を受けてきた。彼らの多くは学術界やスタートアップで活躍しており、そのうち少なくとも7人はDatabricksで働いている。しかし、テック業界の雇用環境はすべての人に優しいわけではない。この業界でかつて最も需要の高い応募者だったコンピューターサイエンスの卒業生たちは、AIによる人員削減が進む中で職を見つけるのに苦労している。
「私は、AIツールを受け入れ、活用するように学生たちに言っているが、短期的には痛みを伴うことになるのが明らかだ。しかし別の視点から考えることが重要だ」と語るストイカは、AIが人類の進化のスピードを加速させ、最終的には惑星間文明を築くためのツールになると考えている。
「その視点に立てば、それを実現するための人材はまだ足りていない」と、ストイカは語った。


