極度の社会不安は孤立や引きこもりにつながることから、深刻な悪影響をおよぼし、それがさらに孤立の問題を悪化させるという悪循環を招くことがある。たとえば1998年の研究で、社会不安障害の若者は、幼児期に社会的交流を避ける傾向にあったことが示された。
社会的交流を避けるとますます社交不安が強まり、人と交流することのメリットが得られないリスクがある。
長期的な健康問題が引き起こされることも
ストレスによる不安が慢性化すると、長期的な健康問題が引き起こされることがある。慢性ストレスは、脳内の「視床下部──下垂体──副腎系(HPA)軸」を過剰に刺激する。
HPA軸は体内のホルモン、とくに「コルチゾール」の放出を調整するシステムで、その重要な機能の1つは、闘争・逃走反応の影響を和らげて、体を安静状態に戻し、次の脅威に備えさせることだ(National Library of Medicine)。
だが、もし脅威が実際にはないのに、「ある」と知覚され続けると、HPA軸が活性化されたままになり、ストレスへの反応性に異常をきたす。
HPA軸の調節機能が働かなくなり、反応性が過大または過小となって、適切に対処できなくなる。すると、ストレスから身を守るホルモンであるコルチゾールの血中濃度が急激に上下して、不安定で乱れた状態になる。
そのせいで、病気と闘う「Tリンパ球」(別名キラー細胞)を含む「免疫系」に悪影響がおよぶことがある。
そして、免疫系が抑制されたり機能不全に陥ったりすると、寿命が縮まってしまうのだ。
注:記事中リンクから商品の購入などを行なうと、編集部に収益が入ることがあります。また事業者は、商品の選定や記事内容には一切関与していません。



