職場でも家庭でも良好な人間関係を維持し、周りから信頼される人たちに共通するのは、幼児期に周りの人との協力的な関係の中で育ったということ。そんな健全な人間関係を築く能力の決め手となる要因の一つは、自分の感情をコントロールする「感情制御」の能力です。
イギリスの名門ブリストル大学で、単位にならないのに学生が殺到する伝説の授業を受け持つブルース・フッド教授の著書『LIFE UNIVERSITY (ライフ・ユニバーシティ) もし大学教授がよい人生を教えたら』(サンマーク出版)から、この感情制御のメカニズムについて一部引用・再編集してご紹介します。
前頭前野に「感情制御」させる
私たちは脳の前方外側の層にある「前頭前野」の働きによって、自分をコントロールする。
前頭前野は最も長い時間をかけて発達する領域で、精神活動を担う脳内のさまざまなシステムを連携させる上で大きな役割を果たしている。
前頭前野のシステムが完全に成熟するのは、大人になってからだ。若者が衝動的で、無秩序な言動を取ることがあるのは、このせいでもある。
未就学児の未発達な前頭前野システムは、この年齢特有の感情の爆発やかんしゃくを抑えることができない。
この衝動抑制能力の欠如は、子どもが自己中心的な視点を抑制できない一因でもある。自分が「本当」だと思っていることを言いたい衝動を抑えられないのだ。



