2025.10.19 15:15

シャトー・ラ・コスタ、投資家がつくった南仏の楽園

(C)Villa la Coste

(C)Villa la Coste

南仏のエクス・アン・プロヴァンス。セザンヌの故郷として知られる風光明媚な土地に、アイルランド出身の世界有数の投資家で、アートコレクターとしても知られるパトリック・マッキレンが理想のリゾート「ヴィラ・ラ・コスタ」を生み出した。

31のヴィラだけの施設だが、この一帯が「シャトー・ラ・コスタ」と名付けられたワイン生産地で、世界に名だたる建築家やアーティストの作品が点在するアートサイトにもなっている。ワイナリーやホテルとしてだけでなく、まるで一つの生命体のように変化し続け、躍動感あふれる文化の発信基地として注目を集めている。

(C)Château la Coste
(C)Château la Coste

共同経営者は、姉のマラ・マッキレン。南仏の柔らかな日差しのもと、ジャスミンの花が香る庭園のチェアにゆったりと腰掛けたマラは、5歳下の弟が産まれた時のことを「はっきりと覚えている」と語る。「金髪のカールした髪が可愛らしくて、友達を呼んできては自慢したの」それが、のちに世界有数の投資家となるパトリック・マッキレン、通称パディだ。

一家はアイルランド・ベルファスト出身。若い頃から、父、パトリックが立ち上げたガレージビジネスを拡大し、その後不動産、ホテル事業などを行い、クラリッジスやコノート、さらにヴィラ・ラ・コストの姉妹ホテル、The Shinmonzen など、世界のラグジュアリーホテルを展開。今や不動産王、世界のトップアートコレクターとして知られる彼を、マラは「パディは生粋のホテリエなの」と表する。

マラ・マッキラン
マラ・マッキレン

1980年代、英語の教師をしながら世界を旅していたマラは、南仏がすっかり気に入り、移住を決意。「ここには、野菜一つ育てるのにも、職人的な考えて育てる農家がいる」と感じたからだという。そのうちに、この土地に自分のワイナリーをつくりたいと考えるようになった。

そんな頃、投資家として活躍していたパディから、「ファームを探して欲しい」と依頼を受ける。少年時代から、時間さえあれば農園でアルバイトをするなど、大地と触れ合うことを大切にしてきたパディ。それを見てきたマラが見つけたのが、南仏・マルセイユから車で北に45キロという17世紀に建てられた邸宅とワイナリーがある600エーカーの土地だった。

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文・写真=仲山今日子

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