2025.10.19 15:15

シャトー・ラ・コスタ、投資家がつくった南仏の楽園

(C)Villa la Coste

その土地は、数多くのラグジュアリーホテルに投資してきたパディにとって、自分の理想を具現化する舞台となる。愛するアートとファーム、ワイナリーとレストランをひと続きに楽しめる場所をつくったのだ。

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昨年99歳で亡くなった父・パトリック(アイルランドでは長男が代々父の名を継ぐ)がこの場所を終の住処としたように、家族が暮らす場所としてもデザインされていて、まるで彼らの家に招かれたかのような感覚を覚える。シャトー・ラ・コスタの敷地内には、オーベルジュという名称のカジュアルな宿泊施設もあるが、なかでも丘の上に建つヴィラ・ラ・コスタはその頂点ともいうべきラグジュアリーなもので、ミシュランガイドによるホテルの格付けで「3キー(鍵)」に選ばれている。

シャトー・ラ・コスタのインテリア
シャトー・ラ・コスタのインテリア

白を基調とした室内には肌触りの良い自然素材が使われ、まさに南仏のリゾート。大理石でできた浴室の窓にはオリーブの木が緑の影を落とし、全室にあるテラスから広々としたブドウ畑を望むことができる。冷蔵庫を開ければ、このシャトー名産のロゼが冷えている。

部屋やロビーにはダミアン・ハーストら著名アーティストの作品のほか、日本の能面や根付のプライベートコレクションが、ライブラリーには家族4世代が共に写る肖像写真が飾られている。

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ヴィアにあるレストランは、ロンドンの三つ星「エレーヌ・ダローズ・アット・コンノート」などを営むエレーヌ・ダローズによるミシュラン一つ星の「エレーヌ・ダローズ・アット・ヴィラ・ラ・コスタ」。地元の食材を多用した、プリフィックスの3コースメニューで、天気の良い時期は屋外のテラスで食事をすることができる。お供はもちろん、シャトー・ラ・コスタでつくられたワインだ。

シェフのエレーヌ・ダローズ
シェフのエレーヌ・ダローズ

ヴィラを出て、敷地内を散策すると、ブラジルの巨大な天然石を空に掲げたトゥンガ作の「魂の運び手」や、原始の時代の祈りの像にも見える女性像の胎内に入ることができるプルーン・ヌーリー作の「母なる地球」など、ダイナミックな自然への賛歌とも言える、ポジティブなエネルギーに満ちたアート作品たちに出会う。

立ち上げからこのアートプロジェクトを取り仕切ってきた、アイルランド出身のキュレーター、ダニエル・ケネディは、「どれもこの場所のためにオリジナルで作成された作品です。パディからアーティストへの依頼は、この土地からのインスピレーションを形にしてほしい、ということでした」と語る。

ダニエル・ケネディ。背景は安藤忠雄が手がけたミュージアムとルイーズ・ブルジョワの最晩年の作品。
ダニエル・ケネディ。背景は安藤忠雄が手がけたミュージアムとルイーズ・ブルジョワの最晩年の作品。
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文・写真=仲山今日子

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