「破壊的リーダーシップ」の基盤となる心理的特性
リーダーがもつ心理的特性はしばしば、その人物がどれだけダークサイドに転落しやすいかを決定づける。有害なリーダーシップの文脈でとりわけ重要なのは、ナルシシズム、マキャヴェリアニズム、サイコパシーといった心理特性で、この3つは合わせて「ダークトライアド」と呼ばれている。こうした特性は時に、大胆な意思決定や、型にはまらない思考を促すこともあるが、操作的、搾取的、ひどい場合には虐待的な行動の可能性を高めるものでもある。
ダークトライアドの心理特性をもつリーダーは、しばしば面接の成績や第一印象に優れる。自信と表面的魅力によって、奥底にある心理特性を容易に覆い隠すことができるためだ。しかし時が経つにつれ、こうした傾向がチームのダイナミクスを悪化させ、信頼をむしばみ、逸脱行動や業績の低迷をもたらす。
こうした問題に対処するには、会社側はリーダーシップ評価にあたって、慎重なアプローチを取る必要がある。従来の業績指標に加えて、評価基準には行動指標や全方位フィードバックのメカニズムを含めるべきであり、後者には同僚や部下だけでなく、外部のステークホルダーからのインプットも統合すべきだ。こうした包括的アプローチを取ることで、潜在的な危険信号を早い段階で検出し、有害な心理特性をもつ人物を無条件に昇進させることを避けられる。
有害な心理特性をもつリーダーの下で働く社員にとって、危険信号を察知することは何よりも重要だ。対人操作、過度の自画自賛、大言壮語、共感の顕著な欠如といったパターンは、リーダーがよからぬ意図をもって動いている可能性を示唆する手がかりになる。社内に支援ネットワークを構築し、信頼できる人物にメンターを務めてもらい、体験を記録に残すことは、プロフェッショナルとしての誠実さを保ちつつ、問題に対処する上で有効だ。
結局のところ、リーダーがなぜ暗黒面に堕ちるのかを理解するには、本人の心理特性、職場のカルチャー、構造的問題を考慮する、多元的視点が必要になる。透明性の高いシステム、倫理性を考慮した評価制度、バランスのとれた企業環境といった実践的対策を取ることで、破壊的なリーダーシップを促進する作用に対抗できる。


