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2025.08.19 11:00

ワービー・パーカーを超えろ、老眼鏡をセクシーに変えた仏「Izipizi」創業者たちの戦略

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翌年、同社はサングラスを製品ラインに加え、さらにキッズ向けやスポーツ向けのアイウェアも展開した。シーコンセプトが急成長を遂げる中、創業メンバーは「easy peasy(簡単)」に語感を合わせた親しみやすい名称である「Izipizi(イジピジ)」へのリブランディングを決断した。さらに2017年9月には、旗艦店をパリにオープンした。

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「イジピジは、素晴らしい名称だ」と、グローバルマーケティングとブランド戦略を統括するアゲラは話す。「この名前は回文になっており、左右どちらから読んでも同じ響きになる。さらに、声に出して読むと自然と笑顔になる」。

イジピジは着実に取扱店を増やしてきたが、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、オンライン販売への移行を余儀なくされた。ワービー・パーカーと同様の戦略を採ることは本意ではなかったかもしれないが、ロックダウンによる店舗営業の制約の中で、方針転換は避けられなかった。「当初は顧客から否定的な反応もあったが、コロナ禍で当社サイトでの売上は大きく伸びた」と、ブランは当時を振り返る。

現在、イジピジの売上の約30%はECチャネルによるものだが、収益の柱はフランスや米国に加え、英国、ドイツ、イタリアを含む欧州各国での店舗販売が担っている。また同社は、モレスキン、ニューヨーク近代美術館、パリのブティック「メルシー」などとのコラボレーションにも積極的に取り組んでいる。販売網は直営店20店舗に加え、85カ国・7500以上の取扱店へと拡大しており、クチュリエは「イジピジは、メガネが必要とされるあらゆる場所で手に入れることができる」と話す。

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2022年にアゲラ、ブラン、クチュリエは、少数株主の持分を買い戻すと同時に、ニューヨークを拠点とするプライベート・エクイティファンド、タワーブルック・キャピタル・パートナーズに25%の株式を割り当て、約4500万ドル(約66億4000万円)の出資を得た。創業者3人は、残る75%の株式を均等に保有している。イジピジは昨年、1980年代にロサンゼルスで創業されたアイウェアブランド「オリバー・ピープルズ」の元幹部、ジョナサン・クレスポを北米事業の初代CEO(最高経営責任者)に起用し、米国市場でのプレゼンス拡大に本腰を入れている。既にブルーミングデールズなどの百貨店で製品が取り扱われており、2026年には米国初の直営店舗をオープンする計画だ。

アゲラ、ブラン、クチュリエの3人は、社会人としてのキャリアの大半をイジピジで共に歩んできた。ある日、彼らはブルーミングデールズとの商談に向かうため、マンハッタンのオフィスから数ブロック先を歩いていた。すると、女性が慌てて車の助手席のドアを開けた瞬間、イジピジのサングラスケースが滑り落ちそうになる光景が目に入った。それは、彼らのブランドが日常に溶け込んでいることの証だった。

forbes.com 原文

編集=朝香実

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