既報の通りグーグルは、ShinyHuntersという恐喝グループの一部とみられるハッカーから攻撃を受けていることと、グーグルのSalesforceデータベースが侵害されたことによるデータ漏えいを認めた。Google Cloudのユーザーも警告から逃れられない。いわゆる「dangling buckets(ダングリング・バケット)」を用いてデータを盗み出し、マルウェアを配布する攻撃経路の詳細を示す勧告が発表された。
Gmailユーザーもまた安心はできず、ハッカーの照準のど真ん中にいる。サイバーセキュリティ事案の3件目として、Gmailユーザーがオンラインのサポートフォーラムで新手の攻撃が相次いでいると報告している。今回、攻撃者はグーグルの正規サポートを装い、電話とメールを併用するハイブリッド手口を採っている。もっともらしく見える一方で危険極まりない。ここでは、25億人のGmailユーザーが知っておくべきことと取るべき対策を示す。
25億人のGmailユーザーに対する、新手の「サポート詐欺」
Gmailのユーザー数は推定25億人、世界人口の約30%に相当すると見られており、サイバー犯罪者がGmailのハッキングに関心を寄せるのは不思議ではない。結局のところ、メールは後続の攻撃に利用できる有用なデータの宝庫である。すべてのメールプラットフォームはハッキングのリスクにさらされるが、GmailはWindowsと同様、その巨大なユーザーベースゆえに際立った存在なのだ。
今回の攻撃に関する最新の警告は、Reddit内のGmailサブレディットへの投稿によるもので、詐欺師がグーグルを装ってアカウントのパスワードリセットを開始し、受信トレイの乗っ取りを狙う手口が詳細に記されている。筆者は以前にもこの種の攻撃を報告してきたが、最近の急増も同じ手口に従っているように見える。被害者はまず、グーグルサポートを名乗る人物から電話を受ける。相手は、不明な第三者が当人のグーグルアカウントをハッキングしようとしていると警告し、攻撃を止めて身を守るにはパスワードのリセットが必要だと助言する。
ここでハイブリッド詐欺の第2段階が動き出す。攻撃者はユーザーにアカウントのリセットメールを送る。詐欺自体は単純だ。そのGmail宛てのパスワードリセットメールには、パスワード変更を試みている本人であることを示すセキュリティ確認コードが含まれている。攻撃者は被害者に、そのコードを電話口で読み上げるよう促し、「グーグルサポート」が被害者のアカウントをリセットして「進行中の攻撃」から守るのだと説得する。もちろん、実際には通話の最中にリアルタイムであなたのアカウントを乗っ取っているだけである。



