2025年8月5日、史上初めて関東8地点で40度台を観測した。夏の気温上昇が加速する中、日焼けに対する意識も変化している。株式会社10(テン)が運営する常設消費者コミュニティ「toiro cafe」で行われた調査によれば、日焼け対策はもはや「美容」目的だけではないことがわかった。
【調査概要】
実査機関:自主調査(10INC.)
調査手法:オンラインコミュニティ調査(MROC)
対象地域:全国
調査期間:2025年7月9日(水) ~ 2025年7月15日(火)
調査対象者:20歳~69歳の男女・257名(男性85名:女性172名)
8割超が日焼け対策、男性の半数も実施
調査では、「まったく日焼け対策をしていない」と答えた人は全体のわずか17%。女性では99%が何らかの対策を行い、男性でも52%が取り組んでいた。主な方法は、「日焼け止め下地・ファンデーション」「遮光・遮熱タイプの日傘」「UVクリームやスプレー」が上位を占めた。


「シミ防止」から「痛み・健康」へ
日焼け対策をする理由の最多は「シミ・そばかすを防ぐ」だが、「肌の痛み」「赤み」「疲労感」といった体調不良や、子どもの頃の日焼け経験によるストレスなど、メンタル面への影響も多くあげられた。また、25%は「皮膚がんや白内障といった健康リスクの軽減」を目的としていた。


これまで美容面などの“見た目”を中心に語られてきた日焼け対策だが、気候変動と科学的な知見の蓄積により、「将来の健康リスク予防」という意味合いが強まりつつあるようだ。
男性も「清潔感」「老化防止」を意識
また、「日焼け対策は女性がするもの」という固定観念は薄れつつあることもわかった。今回の調査では男性からも「老けて見られたくない」「清潔感を保ちたい」といった理由が多く聞かれ、日焼け止めや日傘の使用が広がっていた。
50代・60代では「昔は日焼けが健康に良いと言われていた」という声が寄せられた。しかし1980年から2024年にかけて東京・大阪の平均気温やUVインデックスは大きく上昇し、日焼けの健康被害が科学的にも指摘されるようになった。時代の変化が、日焼けに対する意識を大きく塗り替えているようだ。

心身のための日焼け対策
今回の調査担当者は「日焼け対策=美容という枠を超え、痛みや子どもの頃の経験、健康リスクといった“見えにくい課題”が浮き彫りになった」と指摘。
確かに子どもの頃、日焼けした肌が「健康的だ」とされ、夏休み後の登校時では、誰もが真っ黒になっていた。一方で当時を思い返すと、日焼け直後の肌の焼け付くような痛みも蘇ってくる。服などが触れるだけで悲鳴をあげたくなるような痛みだ。一種のやけどなのだが、当時は大人たちもそのような知識は持ち合わせておらず「皮が剥けるまでがまん」とひたすら放置だった気がする。現在では考えられない荒治療だ。
また最近では公共交通機関でも「運転手がサングラスをかけている場合がございます」というアナウンスに触れる機会が多くなった。サングラス着用は直射日光や紫外線から運転手の目を守り、視界不良や眼精疲労を防ぐための安全対策であり、白内障などの健康リスク軽減にもつながる。また乗客への事前アナウンスは、ファッション目的ではなく安全運行のためであることを説明し、誤解や不安を避ける狙いがあるのだろう。こうした事例は、日焼け対策を「肌」だけでなく「目」や健康全般に広げる必要性を示している。
気候変動が進む現代において、日焼け対策は「誰にとっても必要なセルフケア」として社会全体での理解が求められている。
出典元:10inc調べ



